IHIは台湾電力、住友商事と共同で、台湾・大林発電所におけるアンモニア燃焼技術の実証試験実施に向けた覚書を締結。2030年末までの実施を目指す。
アンモニア燃焼技術の進展
IHIが台湾電力及び住友商事と共同で、台湾南部高雄市にある大林発電所でのアンモニア燃焼技術の導入に向けた検討を開始した。本取り組みは、台湾政府の2050年温室効果ガス実質ゼロ目標達成に貢献することを目指すもので、燃料アンモニアの経済性検証、技術適用検討及び実証試験実施に関する覚書が2月29日に締結された。
アンモニアは燃焼時にCO2を排出しないため、脱炭素社会実現に向けて有望な燃料とされる。IHIは、碧南火力発電所4号機での燃料アンモニア大規模燃焼実証試験を含め、燃料アンモニアの利用拡大に向けた技術開発を推進している。台湾大林発電所での検討は、アンモニア燃焼技術の商業ベースでの実用化に向けた重要な一歩となる。
IHIは、アンモニアの製造から利用までのバリューチェーン全体の構築にも取り組み、再生可能エネルギーが豊富な地域でのクリーンアンモニア製造に関する検討を進めている。今後も燃料アンモニア社会の早期実現とグローバルな環境負荷低減に貢献するため、多様な利用モデルの示しとサプライチェーン構築を目指す。