気候変動や地球環境の危機が叫ばれる中、100年後に伝えたい「良い日」を映画で表現する「YOIHI PROJECT」が手がけたドキュメンタリー3作品が、USEN-NEXT GROUPの動画配信サービス「U-NEXT」で日本初公開されることになった。炭焼き職人を追った『MARUMO』、藍染めに情熱を注ぐ職人たちを記録した『青い記憶』、そして山形のマタギに迫る『MATAGI -マタギ-』が独占配信される。
100年後に伝えたい、伝統工芸の記録
炭焼き職人の記録『MARUMO』
三重県の炭焼き職人をテーマにした『MARUMO』は、映画『半世界』で稲垣吾郎が演じた炭焼き職人の舞台にもなったマルモ製炭所の職人たちを追った作品である。監督は、阪本順治監督らの元で経験を積んだ新鋭・飯島将史が務める。飯島監督は、作品を通じて「山と生きる人々」としての炭焼き職人の姿を丹念に記録している。
藍染め職人を描く『青い記憶』
『青い記憶』では、藍染めに魅せられた日本各地の職人たちの姿を追っている。監督のヨシダシゲルは、「藍染は人類の叡智そのものであり、その価値は短期的な経済指標では計れない」と語る。自然から得た「青」の瞬間を映像に記録し、その中に未来を切り拓くヒントを見出すことを目指している。
山形のマタギに迫る『MATAGI -マタギ-』
山形県大鳥地区のマタギに焦点を当てた『MATAGI -マタギ-』は、現役のマタギたちの生活と精神に迫るドキュメンタリーである。飯島将史監督が1年間かけて取材し、彼らのアイデンティティや時代の変化に伴う苦悩を描いている。
これらのドキュメンタリー作品は、6月29日に公開される映画『プロミスト・ランド』とも関連している。飯島監督が手がける同映画は、東北地方を舞台に熊狩りに挑む若者たちの姿を描いている。ドキュメンタリー制作の経験が映画制作に活かされているという。
『YOIHI PROJECT』は、美術監督の原田満生が発起人となり、気鋭の日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が連携して、様々な時代の「良い日」に生きる人間の営みを映画で伝えるプロジェクトである。これまでに第97回キネマ旬報ベスト・テン日本映画作品賞を受賞した『せかいのおきく』など、評価の高い作品を送り出してきた。
今回のドキュメンタリー3作品もまた、伝統工芸の技術や職人の精神を後世に伝える貴重な記録として評価されることが期待されている。今後もU-NEXTとの連携により、新しい映画の可能性を探る独自のラインナップを提供していく予定である。
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