北軽井沢にあるキャンプ場スウィートグラスは、開業30周年を記念した大型プロジェクトをスタートする。スウィートグラスの象徴でもあるツリーハウスに新しい仲間が加わる予定。来年春の完成を目指し、プロジェクトが始動した。
スウィートグラスの世界観をつくるツリーハウス
スウィートグラスには、さまざまなツリーハウスが存在する。吊り橋回廊で繋がった「トントゥ」と「ノア」、波打つ大きな黒板の「おしぎっぱ画廊」、きのこ型のアスレチック「マッシュルームランド」、夢の泊まれる「ツリーハウス・マッシュルーム」。これらは全て自然の造形をモチーフにしたデザインで統一されている。
これらのツリーハウスを手掛けたのはツリーハウスビルダーの稲垣豊氏。稲垣氏は「Forest Works」を主宰し、浅間高原を拠点にツリーハウスや子供の遊び場、ウッドデッキ、コテージや別荘などの建築施工を行っている。
稲垣氏は美術大学を卒業後、浅間高原に移住しログハウスビルダーとして建築の基礎を学んだ。その後、スウィートグラスのスタッフとして働き始め、ツリーハウスの構想を練り始めた。1999年にはアメリカオレゴン州の「Out’n’About」で開催されたツリーハウスミーティングに参加し、ツリーハウスの工法を学んだ。
帰国後、最初に制作したのが「マッシュルームランド」。その後も次々とツリーハウスを制作し、2008年には「Forest Works」を立ち上げ独立。現在では全国から声がかかるツリーハウスビルダーとして活躍している。
開業30周年を迎えるスウィートグラスでは、新たにツリーハウスを制作する。このツリーハウスは高さ10m以上で、遮るもののない浅間山を見渡せる場所に建設予定。夜にはぼんやりと灯りがともる設計だという。
稲垣氏は手書きのスケッチのみで設計図は一切作らない。10年前から頭の中で構想があったこのツリーハウスには、地域材をふんだんに使用する予定だ。制作期間中には、お客さんも参加できるイベントを計画している。
新しいツリーハウスの制作は9月から開始される。制作の過程を見学できる機会も提供される予定。稲垣氏が手掛ける新たなツリーハウスが、どのようにスウィートグラスの景観に加わるのか、期待が高まる。
スウィートグラスは、これからも地域の自然を生かしたキャンプ場として進化を続ける。その象徴としてツリーハウスがどのように成長していくのか、注目されるところだ。
スウィートグラスホームページ