持続可能な食の未来を育む新たな拠点が、東京都港区西新橋に誕生した。都市部における食のイノベーション創出を目指すスタートアップ企業の活動拠点「Sustainable Food Lab」がそれだ。食領域での社会課題解決を志向する企業が集う場所となり、地域全体で持続可能な食文化の発展を支援することを目指している。

食イノベーション創出による、新橋・虎ノ門地区の都市再生計画

新施設「Sustainable Food Lab」は、日鉄興和不動産株式会社、Sustainable Food Asia株式会社(SFA)、独立行政法人都市再生機構(UR)が連携し、食をテーマにしたスタートアップの成長をサポートする場として整備された。食を通じて地域全体にイノベーションをもたらすことが目標で、今後、地域住民や企業との連携を通じてその効果が期待されている。
「Sustainable Food Lab」は2つの主要な機能を備えている。1つ目は1階に設置されたオープンキッチンスペース。ここでは、スタートアップ企業が新商品のテストマーケティングやポップアップストアの運営が可能で、来場者に対して調理試作や試食の提供ができる。このスペースは食材のプレゼンテーションや新しいメニューの発表に最適で、すぐに商談に移れるプレゼンテーションスペースも併設されている。
2つ目は、4階にあるシェアオフィスだ。18席を備えたコワーキングスペースでは、スタートアップ企業が業務を進めやすいように、専用のロッカーやフォンブース、業務用の冷蔵庫などを完備している。利用者は、都心に営業拠点を持つことで、効率的なビジネス活動が可能となる。
「Sustainable Food Lab」の開設は、新橋・虎ノ門地区における都市再生計画の一環でもある。この地区では、小規模なビルを活用し、スタートアップ企業の活動拠点を複数点在させることで、食を起点としたイノベーション創出を推進している。日鉄興和不動産やURは、スタートアップ企業だけでなく、地域住民や周辺オフィスワーカーとのつながりを強化し、地域全体で持続可能な食文化の育成を図っている。
「Sustainable Food Lab」は、近年注目されている「フードテック」分野においても重要な役割を果たすことが期待されている。フードテックは、生産から加工、流通、消費に至るまで、食に関する技術革新を通じて新しいビジネスモデルを生み出す分野であり、国内外で急速に成長している。日本においては、農林水産省を中心に、フードテックビジネスの育成に向けた支援や産学官連携の取り組みが進められており、その一環として「Sustainable Food Lab」も位置付けられている。

ホームページはこちら