JR東日本グループは、「変革2027」の一環として、サーキュラーエコノミー推進に向けた「ダブルリサイクルループ」を導入し、駅ビルやエキナカから出る食品廃棄物を電力や農業資源として再利用する取り組みを加速している。2024年12月から、東京駅で廃棄物由来の電力を活用した新たなループが稼働を始める予定だ。
食品廃棄物を再生可能エネルギーへ、さらに農作物として再利用
現在、環境に優しい資源循環の実現が求められる中、JR東日本グループはサーキュラーエコノミーを目指し、廃棄物を資源に変える「ダブルリサイクルループ」を導入した。これにより、駅ビルやエキナカから出る食品廃棄物を、株式会社Jバイオフードリサイクル(以下、Jバイオ)で処理し、発生する電力を「電力リサイクルループ」、生成された肥料で育てた農作物を「農業リサイクルループ」として再利用する。
具体的には、JR東日本クロスステーションが運営する「マーチエキュート神田万世橋」や「リエール藤沢」では、施設から排出される食品廃棄物をJバイオにて100%リサイクル処理している。さらに、2024年12月からは、これらの施設にて使用される電力を、食品廃棄物から生み出されたバイオガス由来の再エネ電力に切り替え、年間約873トンのCO2削減を見込んでいる。
また、「農業リサイクルループ」では、Jバイオで生成された肥料を使用して生産された野菜を東京駅で販売・提供する。10月31日から3日間、東京駅で開催される「LOOP deマルシェ」では、藤沢市の農家が提供する新鮮な野菜が販売される予定。さらに12月からは、東京駅のレストラン「THE CENTRAL」で、この肥料で育てた野菜を使用した料理が提供され、食品廃棄物から生まれた新たな循環が実現される。
この取り組みにより、JR東日本グループは、サーキュラーエコノミーの実現に向けた持続可能なモデルを構築し、業界全体での環境負荷軽減に寄与していくことが期待されている。今後も「ダブルリサイクルループ」を拡大し、循環型社会の実現に向けた新たな取り組みを進めていく方針だ。