大和ハウス工業株式会社と米Autodesk, Inc.は、BIMデータを活用したCO₂排出量算定ツール「Integrated Carbon Tool(ICT)」を共同開発した。このツールにより、設計初期段階から建築資材製造に関わるCO₂排出量の可視化と削減検討が可能となる。2024年12月20日より、大和ハウス工業の全国事業所で導入を開始する。
BIMデータを活用した精緻なCO₂排出量算定を実現
建設業界におけるカーボンニュートラル達成が急務とされる中、大和ハウス工業株式会社(以下「大和ハウス工業」)とAutodesk, Inc.(以下「Autodesk」)が共同で開発した「Integrated Carbon Tool(ICT)」は、建築設計における重要な一歩となる。このツールは、建物のBIM(Building Information Modeling)データを基に、設計初期段階からCO₂排出量を可視化し、削減策を検討する手助けを行う。
ICTでは、BIMデータに基づいて柱や梁などの部材の情報を取り込み、さらに接合部材などBIMデータ上では再現されない要素も含めてCO₂排出量を算定する機能を備える。これにより、従来の専門的知識を要する計算プロセスを自動化し、設計者が効率的に低炭素設計を進められるよう支援する。
2024年5月の共同開発開始からわずか7カ月後、トライアル運用を経て本格的な利用が開始される。また、大和ハウス工業とAutodeskは2050年までにカーボンニュートラル実現を目指し、ICTを活用した建築設計や業務効率化の取り組みを強化していく考えだ。
今後、このツールが建設業界全体のデジタル化(DX)を促進し、持続可能な建築社会の実現に寄与することが期待されている。
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