座敷机として使用されていた一枚板を再生し、家具やカウンター材、建築資材として再利用する取り組みが注目を集めている。「rewood」がTHE COVER NIPPONと提携して進める、新たな価値創出の取り組みだ。
樹林の再生素材活用で、ライフスタイルデザインを変え、森林保護とCO2削減を目指す。
日本には古来から独自の文化として、木材から伐り出した一枚板を、そのまま座敷机やテーブルに使用する習慣がある。一本の丸太から伐り出されたそのままの一枚板は、その独特な杢目や質感が自然の芸術品を思わせ、多くの愛好家を生んできた。しかし一方でこの文化のために、これまで日本では樹齢200年以上の貴重な木々が伐採されてきたのもまた事実。
この歴史と現状に対してrewoodは、これらの一枚板を単なる素材としてではなく、「地球の恩恵」と捉えることで長年の使用によって生まれる一枚板の傷や風合いを「家族の歴史」として大切にし、共に時間を過ごすことを提案する。そこでこの一枚板をより長い時間に渡って使用していくために、rewoodは「使われていた一枚板」に乾燥や再仕上を施し、新たな家具や建材としてリボーンさせることを考えた。2016年に始まったこの活動は、日増しに増える全国からの一枚板の買取相談に応じてきて全国に広がり、これまでに1,500枚を超える一枚板を再生してきた。
すでに切り出された一枚板が新たな価値を持って再利用されることで、不要な森林伐採が抑制され、世界的な森林破壊減少に対する策になるのではないかと同社では考えているようだ。rewoodのこの取り組みもサーキュラーエコノミーの実現に向けた一歩と言え、樹齢100年以上の板を再生することで、樹を愛しその恵みを暮らしに活かす、これからのライフスタイルデザインの一つと考えられるのではないだろうか。
このような再生技術は他の素材分野にも応用可能であり、2050年までのCO2排出量削減を目指すフェーズの中で大切な役割を果たすと期待されている。