サントリーは、日本国内で「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進を加速させている。使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生するこの取り組みは、資源の有効活用を促進し、CO2排出量の削減に貢献する。2011年に国内飲料業界で初めてメカニカルリサイクル技術を確立したサントリーは、その後も技術革新を続けている。
環境負荷を抑えるメカニカルリサイクル技術
サントリーは、持続可能な社会の実現に向け、ペットボトルのリサイクル技術の開発を進めてきた。「ボトルtoボトル」水平リサイクルは、使用済みペットボトルを粉砕・洗浄し、再生樹脂として再利用するマテリアルリサイクルをさらに発展させた技術だ。高温・減圧下で一定時間処理することで、不純物を除去し、飲料容器に適した高品質なPET樹脂に再生する。
2011年、協栄産業株式会社と共同で国内初のメカニカルリサイクルシステムを構築。翌年には、国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入した。さらに、CO2排出量を削減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発し、業界をリードし続けている。
企業・自治体と連携し、リサイクルを促進
サントリーは、企業や自治体と連携し、「ボトルtoボトル」水平リサイクルの実現に取り組んでいる。流通企業・商業施設と協定を締結し、店頭で回収された使用済みペットボトルをリサイクルするだけでなく、消費者への啓発活動も展開。自治体とも協力し、住民が排出したペットボトルを新たなサントリー製飲料用ペットボトルへと再生する取り組みも進めている。
また、協定を締結した自治体の小中学校で、ペットボトルリサイクルに関する教育プログラムを実施。子どもたちに資源循環の重要性を伝え、次世代の環境意識向上を図っている。
ペットボトルの100%サステナブル化を目指して
サントリーは、2019年に「プラスチック基本方針」を策定し、2030年までに全使用ペットボトルをリサイクル素材または植物由来素材100%にする目標を掲げた。2023年には、国内清涼飲料事業のペットボトル重量におけるサステナブル素材の使用比率が53%に到達。今後も技術開発を加速し、化石由来原料の新規使用ゼロを目指している。