博報堂は、文化人類学者の竹村眞一氏とともに、一般社団法人「Planetary Platformers Initiative(PPI)」を設立した。人類と地球の共生を実現するため、革新的な技術の社会実装を推進し、持続可能な社会への変革を図る。事務局およびプロデュースは、博報堂グループのスタートアップスタジオ「quantum」が担う。

先進技術の掛け合わせで社会課題に挑む、新たな共創プラットフォーム。
気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇といった地球規模の課題が深刻化するなか、持続可能な社会の構築は人類共通の急務とされている。これに対し、日本国内では先進的な技術が次々と誕生しているが、それらを社会と結びつけ、実装する仕組みは十分とは言えなかった。
こうした状況を打開すべく、博報堂は「人新世の文明論」を掲げる竹村眞一氏と連携し、地球の“OS”のアップデートを標榜する一般社団法人「Planetary Platformers Initiative(PPI)」を立ち上げた。スタートアップや研究機関、大企業、行政、ファンドなど、異なるプレイヤーをつなぎ、地球規模のインパクトをもたらすソリューションの創出を目指す。
PPIでは、先進技術を有するスタートアップの発掘や成長支援に加え、異なる技術領域の掛け合わせによる共創を促進。さらに、国内外における実証実験の場の提供、技術ツアーや事例視察などのエクスカーションも企画し、具体的な社会実装を後押しする。
設立初期メンバーには、竹村氏のほか、西山泰央氏(共同代表理事)、井上高志氏、鈴木寛氏といった多様な分野の実践者が名を連ね、ビジョンの具現化を担っていく。事務局を務めるquantumは、スタートアップスタジオとしてのノウハウを活かし、プロジェクト全体の設計と運営を支援する。
PPIのロゴは、博報堂が商標出願したブランドシンボルであり、今後の取り組みの象徴として広く展開していく方針である。
社会の変革を志すテクノロジーとプレイヤーを結集させることで、PPIは日本発の「ゲームチェンジ」を世界に向けて発信していく構えだ。持続可能な未来を構想するこの新たなプラットフォームが、どのような共創を生み出すのか、今後の展開に注目が集まる。