廃漁網のリサイクルに取り組むamu株式会社は、釣り関連ごみの削減と資源循環を目指し、釣り糸アップサイクルの実証実験を開始した。新宿高島屋で開催されるポップアップイベント「Fish Hook Spring Collection’25」において、使用済み釣り糸の回収とユーザーヒアリングを実施する。釣具専門のオンラインストアを運営する株式会社Fish Hookとの共同企画である。

釣り人の声を新商品に反映。環境負荷低減と価値創出の両立を目指す。

釣りとアウトドアの人気が高まる一方で、使用済みの釣り糸や漁具が環境に与える影響が問題となっている。こうした課題に対し、漁網アップサイクルを手がけるスタートアップamuが新たな取り組みを打ち出した。釣り糸を単なる廃棄物ではなく資源として再評価し、新たな製品へと再生させるための実証実験を開始した。
実験の舞台は、新宿高島屋で4月11日から開催されるフィッシング&アウトドアイベント「Fish Hook Spring Collection’25」。本イベントでは、使用済み釣り糸の回収と、釣り人の意識やニーズに関するヒアリングが行われる。協業するのは、日本初のトラウトフィッシングとアウトドア用品専門のオンラインストアを運営するFish Hook社。自然との共生を重視する企業理念に共感したことが、今回の共同プロジェクトにつながった。
回収された釣り糸は、素材ごとに分別され、今後のアップサイクル製品開発に活用される。ナイロン、PE、ポリエステル、フロロカーボンの4種に分けた回収BOXが会場に設置され、釣り糸から金属類を取り除き、洗浄・乾燥した状態で持ち込むことが求められる。
また、過去にマグロ漁業で使用されたテグスを原料としたサングラスの展示販売も予定されており、アップサイクル製品の具体例として来場者の関心を集めそうだ。
釣り糸は、廃漁網と同様にリサイクル可能な素材としての可能性を秘めている。amuとFish Hookは、釣り人のリアルな声を反映した製品づくりを進め、釣りを楽しみながら環境保全に貢献できる循環の仕組みを構築する考えだ。今後も両社は連携を強化し、持続可能なアウトドア文化の定着と、資源循環型社会の実現を目指していく。

ホームページはこちら