コカ・コーラ ボトラーズジャパンとサントリー食品インターナショナルは、現在開催中の大阪・関西万博において、会場内で回収される使用済みペットボトルを再びボトルへと再生する「ボトルtoボトル」の水平リサイクルを実施している。資源の国内循環と脱炭素社会の実現を掲げ、45カ所の回収ステーションを活用した取り組みが展開されている。

化石由来資源に頼らない循環型社会への実証実験

使い捨てから循環型へ。サーキュラーエコノミーの実現に向けた実証の場として、2025年の大阪・関西万博が注目を集めている。今回、飲料業界を代表する2社が手を組み、会場内で回収されたペットボトルを新たなボトルへと生まれ変わらせる水平リサイクル「ボトルtoボトル」に乗り出している。
万博会場には、来場者の利用を想定した「3Rステーション」が50カ所に設置され、このうち45カ所にペットボトル専用の回収ボックスが置かれる。投入されたボトルは、分別のため本体、キャップ、ラベルに分けられ、リサイクルに適した状態で処理される。両社の資源循環を促すロゴが掲示され、国内外からの来場者への啓発も同時に行っている。
この取り組みによって、新たな化石由来の原料を使わず、使用済みボトルを再び製品化する完全な資源循環が可能になるとされている。従来型のペットボトル製造と比較し、1本あたりの二酸化炭素排出量を約60%削減できるという試算もある。リユース、リデュース、リサイクルの3Rに基づき、会場内のごみは極限まで削減される設計で、会期中の持続可能な運営に貢献する。
両社はこれまでにも、国内で「ボトルtoボトル」の取り組みを推進してきた実績がある。今回の万博を契機に、得られた知見と技術を最大限活用し、循環型社会への理解を広げる構えだ。万博はSDGsの達成目標年である2030年に向けた中間地点と位置づけられ、次代の社会モデルを示す舞台となる。
回収期間は2025年4月13日から10月13日まで。日本国内での水平リサイクルの意義を世界に示す取り組みとして、その成果が注視されている。

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