住宅ブランド「クレバリーホーム」を展開する株式会社クレバリーホーム(本社・千葉県君津市)が、4月22日に開催された「第11回ジャパン・レジリエンス・アワード」において、「ライフライン維持パッケージ」で優秀賞、「クレバース100」で優良賞を受賞した。いずれも災害時に住み続けられる住宅の実現を目指した取り組みで、従来の防災住宅の概念を刷新するモデルとして注目が集まっている。

「避難する家」から「住み続けられる家」へ。
災害発生時、多くの人々は避難所へと移動し、生活の継続に困難をきたす。こうした現状を変えようと、クレバリーホームが開発したのが「ライフライン維持パッケージ」だ。太陽光発電や蓄電池、ハイブリッド給湯器、貯水タンク、止水板など6つの装備を標準化し、停電や断水時でも自宅で生活機能を維持できる環境を整えた。
中でも、停電時に太陽光発電やハイブリッド車と連携して電力を供給する「スマートエルラインライト」は、情報取得や夜間の照明確保に寄与する装置として高く評価された。加えて、床上浸水を防ぐ止水板や断水対策の貯水タンクも備え、災害時に「避難しなくてもよい住宅」の具現化を可能にした点がアワードでの受賞につながった。
もうひとつの受賞技術である「クレバース100」は、建物の直下率を100%とする独自構造により、柱の位置を上下階で完全に一致させる設計手法が特長だ。この設計により、地震エネルギーを効率よく基礎に伝え、建物のねじれや損傷を最小限に抑えることができる。さらに、阪神・淡路大震災の2倍の揺れにも耐えた実大振動実験を経た「プレミアム・ハイブリッド構法」を全棟で標準採用。耐震等級3相当以上の強度を確保し、震災後も建て替えや大規模補修を不要とする構造が、暮らしの持続性という観点から高く評価された。


今後クレバリーホームでは、全国のフランチャイズ加盟店とともに、災害に強く、災害後も安心して暮らし続けられる住宅の普及を目指す。住宅そのものが防災拠点として機能する「住まいのレジリエンス」は、国土強靭化の実現に貢献する新たな解決策として注目される。
今回のダブル受賞は、「命を守る」から「暮らしを守る」住宅へと発想を転換し、構造と設備の両面から災害に備えるという新しい防災の在り方を社会に示す機会となった。住宅分野におけるレジリエンスの深化は、持続可能な地域社会の構築においても大きな一歩といえる。