住友林業株式会社は、英不動産開発会社Bywater Propertiesとの合弁会社を通じて、英国ロンドンで環境配慮型の木造6階建てオフィスを竣工した。5月8日に行われたセレモニーでは、持続可能な建築の未来に向けた新たなスタートを祝った。

エンボディドカーボン削減と環境性能の向上。環境配慮型建築の新たな一歩。

建築セクターが占める世界のCO2排出量は37%に達し、持続可能な社会の実現にはエンボディドカーボンとオペレーショナルカーボンの削減が求められている。住友林業は、ロンドンでこの課題に挑み、資材調達から建設工事完了までのCO2排出量を大幅に削減した。

今回のプロジェクトでは、最新のソフトウェアを使用し、建物の床面積1㎡あたりのCO2排出量を413㎏CO2eに抑制。これは、広域自治体であるGLAが示す基準値の約6割の削減に相当する。さらに木造建築の採用により、建物全体で約1,900トンのCO2を固定することが可能になった。
オペレーショナルカーボンの削減についても、高遮熱性能の外壁や屋上太陽光発電の導入により自家発電を実現し、エネルギー効率を示す「EPCレート」で最高評価のAを取得した。他にも、スマートビルディング認証「WIRED SCORE」ではPlatinum、環境認証「BREEAM」ではExcellent、健康配慮型オフィス認証「WELL」ではGoldを取得予定だ。
またこのプロジェクトは、約2,300㎥の木材を使用し、建物解体後に再利用可能な設計を採用している。これにより、サーキュラーエコノミーを実現し、持続可能な資源利用を促進していく考えだ。
住友林業グループは、「Mission TREEING 2030」として「森林」、「木材」、「建築」の分野でCO2吸収量の増加を目指し、木造建築の普及を進めている。イギリスでのプロジェクトは、脱炭素社会への貢献を加速する一例であり、今後も環境に配慮した不動産開発を推進していく方針だ。

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