三菱地所グループは、大手町・丸の内・有楽町を一体としたエリアで、「まちまるごとワークプレイス」構想を打ち出した。これは、オフィスビル単体で完結するのではなく、街全体を一つのワークプレイスと見立てる新たな都市空間の発想だ。多様化する働き方や価値観の変化に対応するため、企業単独では実現しづらい機能や環境をエリア全体で共有し、未来志向のまちづくりを進めていく。

街全体をオフィスに変える発想、135年の蓄積が支える構想。

135年以上にわたって培われてきた丸の内エリアの「利便性と集積」を背景に、街そのものを一つのプラットフォームとして機能させる考え方が「まちまるごとワークプレイス」構想の核にある。三菱地所はこれまでも「丸の内再構築」として1998年以降の再開発を推進してきたが、今後は建て替えやリニューアルにとどまらず、個社単独では対応が難しい課題に対して、エリア全体で解決を図る仕組みを構築する。

構想を実現に導くため、三菱地所は「まちまるごとバリューアップ」「まちまるごとアンケート」「まちまるごとウェルビーイング」の3施策に注力する。
まず「バリューアップ」では、既存ビルのリニューアルを通じてフレキシブルオフィスや共用ラウンジの拡充を図り、多様な働き方や企業の成長に対応する。加えて、商業空間や共用部分の刷新により、日々の出社に楽しさや発見を加える工夫が進む。現在進行中の開発プロジェクトも、この方針に沿って進められている。中でも「Torch Tower」や「丸の内3-1プロジェクト」などの大規模開発は、賃貸住宅やウルトララグジュアリーホテル、大型ホールや展望施設などを含み、街に新たな価値を加えるものとして注目される。
さらに、有楽町エリアでは解体中の旧ビル跡地を活用し、アートや食、エンターテインメントを融合した文化発信拠点の創出も進められている。NOT A HOTELとの連携により、世界水準のクリエイティブ拠点としての街づくりが計画されている。

2つ目の施策「まちまるごとアンケート」では、オフィス利用者やテナント企業の声をまちづくりに反映させる仕組みを整備する。ユーザー目線を起点にすることで、利便性や快適性の向上を図る狙いがある。

3つ目の「まちまるごとウェルビーイング」では、エリア内のオープンスペースを活用した健康促進やコミュニティ形成を目指す取り組みが検討されている。働くだけでなく、心身の健康や創造性を育む場としての都市空間が求められている現代において、こうした施策の重要性は高まりつつある。
コロナ禍を経て、働く場所やスタイルに対する価値観は大きく変化した。企業は自社オフィスだけではそのすべてに応えることが難しくなっている。だからこそ、街全体を一つの職場として捉え、互いに補完し合う仕組みが求められている。
三菱地所が提唱する「まちまるごとワークプレイス」構想は、単なるオフィス空間の整備にとどまらず、都市そのものの再定義を試みる挑戦でもある。働く人にとって、企業にとって、訪れる人にとって、丸の内が常に「選ばれる場所」であり続けるために、新たなまちづくりはこれからも進化を続けていく。

 テレビCM「丸の内は、次を問う。」宣言篇 30秒

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