株式会社あゆちは、完全無農薬・多段式での水耕栽培を可能にする新品種『みずのゆめ稲』の生産に成功したと発表した。草丈15~20cm、栽培期間約2ヶ月という超矮性・早生型の特性を活かし、田んぼを使わない主食生産モデルを確立。気候変動や耕作放棄地といった課題を乗り越え、世界の食料安全保障に貢献する可能性を秘める。

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草丈5分の1、栽培期間3分の1。常識を覆す新品種。

あゆちが長年の研究の末に開発した『みずのゆめ稲』は、従来の稲の常識を大きく覆す。草丈はわずか15~20cmと、通常の5分の1程度。栽培期間も約2ヶ月と極めて短く、これにより野菜工場のような多段式での高密度栽培を可能にする。理論上、最大で年6回の収穫(6期作)も目指せるという。今回の実証では、閉鎖型の施設内で、独自に設計した栽培槽やLED照明、液肥の配合技術を駆使。農薬を一切使用せず、『みずのゆめ稲』の安定した育成と収穫に成功した。

どこでも、誰でも米を作れる未来へ。

「田んぼ」という制約から解放されるこの技術は、農業の未来に大きな可能性をもたらす。高齢化や耕作放棄地といった国内の課題はもちろん、砂漠や寒冷地、都市部など、これまで稲作が不可能だった地域でも主食を生産できる。気候変動や紛争といった不安定な状況下でも食料を確保する「次世代の主食インフラ」として、世界の食料安全保障への貢献が期待される。あゆちは今後、さらなる栽培の安定化と量産体制の構築を進め、企業や研究機関との連携も積極的に検討していく。

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