株式会社Lib Work(代表取締役社長:瀬口 力、本社:熊本県山鹿市)は2025年7月22日、国内初となる土を主原料とした一般住宅用の3Dプリンター住宅「Lib Earth House model B」を熊本県山鹿市に完成させたと発表した。これは生成AIによる設計と3Dプリンターによる施工を融合させたもので、同社が目指す世界初のAIによる完全自動住宅建設に向けた重要な一歩となる。2025年8月より販売予約を開始する予定。

「Lib Earth House model B」が示す、持続可能なサステナブル住宅の未来像。

住宅業界では長らく工法や素材に本質的な革新が見られず、建設業界における熟練労働者の不足も深刻な課題となっている。こうした状況に対し、株式会社Lib Workは、循環型社会や脱炭素社会への貢献も視野に入れ、持続可能で再現性の高い住まいの選択肢を増やすという使命のもと、3Dプリンター技術と自然素材の組み合わせに着目し、開発を進めてきた。
今回完成した「Lib Earth House model B」の最大の特徴は、産業廃棄物となるセメントを一切使用せず、土を主原料とするサステナブルな壁材の開発に成功した点だ。これにより、製造プロセスにおけるCO₂排出量を大幅に削減しながら、強度は旧モデルの約5倍に向上したという(本技術は特許出願中)。
さらに、住宅内部には最新のIoT技術が導入されており、壁内に埋設されたセンサーで温湿度を常時監視する「壁内結露監視システム」や、顔認証付き玄関ドア、スマートフォンで家電を遠隔操作できるシステムを標準装備。こうした最新技術によって利便性と安全性が飛躍的に高まり、長寿命と快適性を兼ね備えた住環境を実現した。
エネルギー面では、テスラ社の蓄電池「Powerwall」と太陽光パネルを組み合わせたオフグリッドシステムを採用し、電力の自給自足を実現したことで、環境負荷の低減とともに、災害時の停電リスク軽減にも成功。また屋内ではLDK、トイレ、バスルームに加え、中庭を設けて自然光と風を取り入れる設計を採用し、外観も有機的なフォルムを意識し、自然素材の美しさを生かしたデザインとなっている。住む人のライフスタイルに合わせて、未来の住空間を自在にアップデートできる柔軟性も特徴の一つだ。
同社は今後、生成AIを設計分野にも本格的に導入し、設計から施工までを一気通貫で自動化する「AIフルオートビルド」の実現を目指し、プロジェクトを本格始動させる。2040年までに国内で累計1万棟の着工を目標に掲げ、この技術をフランチャイズ方式で全国展開することも計画している。将来的には、建設現地の土を使った地産地消や、解体後に廃棄物を出さない循環型建築も目指しており、3Dプリンター住宅が住宅業界の構造的課題を解決し、持続可能な社会を実現するための大きな推進力となることが期待されている。

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