東急不動産は、千葉県勝浦市、新勝浦市漁業協同組合、千葉県立中央博物館分館海の博物館などと連携し、「勝浦市藻場保全対策協議会」を設置。深刻化する磯焼け問題に対応するため、産官学が一体となった藻場保全活動を開始した。これは、同社がリゾート開発で関わってきた勝浦エリアの海の豊かさを未来へ繋ぐ、新たな挑戦だ。

温暖化で深刻化する「磯焼け」、豊かな海が危機に。

千葉県勝浦市は、暖流と寒流が交わる豊かな漁場を持ち、古くから「海」を主軸に発展してきた。しかし近年、地球温暖化による海水温の上昇で、海藻を食べる魚(植食性魚類)が増加。海藻が食い尽くされ、海の砂漠化ともいわれる「磯焼け」が深刻な問題となっている。このままでは、アワビやサザエなどの水産資源が激減し、漁業や地域の食文化に大きな打撃を与えかねない。この危機的状況を打開するため、漁協、自治体、研究機関、そして民間企業が手を取り合うことになった。

魚の駆除と藻場の調査、そしてブルークレジットへ。

協議会は具体的な活動として、まず水中ドローンなどを用いて藻場の現状を調査。その上で、藻場を食べる魚の駆除作戦を実施する。活動の効果を測定するため、駆除を行う区域と行わない区域を設け、藻場の変化を継続的に観察。将来的には、海藻が吸収するCO2をクレジット化する「Jブルークレジット」の認証取得も目指す。これは、環境保全活動を持続可能な事業へと繋げるための重要なステップとなる。

藻場調査イメージ

駆除した魚は「勝浦ブルーバーガー」に。食で知る環境保全。

この取り組みを多くの人に知ってもらうため、東急不動産は自社が運営する「東急リゾートタウン勝浦」でPRイベントを開催。駆除した植食性魚類(未利用魚)をフィッシュバーガー「勝浦ブルーバーガー」として提供する。美味しく食べることを通じて、海の環境問題に関心を持ってもらう狙い。森の保全活動に取り組んできた同社にとって、海の保全は新たな挑戦。地域と連携し、社会課題の解決とエリアの価値向上を目指す。

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