株式会社phoneme(代表取締役:丸岡武史、本社:愛知県岡崎市)が運営するファッションブランド「Enharmonic TAVERN」は、全国の放置された間伐材をアップサイクルした新素材「木糸(もくいと)」で作るTシャツのクラウドファンディングを2025年8月5日に開始した。開始2時間で目標金額を達成するなど、SNSを中心に大きな反響を呼んでおり、ファッションを通じた社会課題解決の新たなモデルとして注目されている。

アパレルと林業の課題を同時に解決し、地域循環型経済の実現へ。
アパレル業界は、流行の速さから大量の衣類が生産・消費され、その過程で排出されるCO2や、洗濯によるマイクロプラスチックの海洋流出が環境負荷となっている。一方、日本の広大な森林では、健全な育成のために不可欠な「間伐」で伐採された木材が、コストの問題から未利用のまま放置されるケースが少なくない。これが森林の荒廃を招き、土砂災害などのリスクを高める一因ともなっている。
こうした二つの社会課題に対し、株式会社phonemeは、ファッションというアプローチで解決を目指す。同社が着目したのは、株式会社和紙の布(大阪府)が開発した、間伐材から作られる糸「木糸」だ。木糸は、スギやヒノキの間伐材を原料とした和紙を細く裁断し、撚りをかけて作られる日本発の素材。天然木材由来のため、肌に優しく、軽量で、通気性や吸水性にも優れているという特長を持つ。


今回発表された『木糸Tシャツ』は、この木糸を使用し、環境負荷の軽減と、着心地の良さを両立させた製品だ。2025年8月5日~2025年8月31日を期間とし、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で発表されると、開始からわずか2時間で目標金額の30万円を達成し、24時間で目標の300%を超える支援を集めるなど、そのコンセプトは多くの人々から共感を呼んでいる。
このプロジェクトは単に新しい商品を開発するだけでなく、間伐材という未利用資源に新たな価値を与え、林業の活性化、さらには地域経済の循環を生み出すことを目指している。株式会社phonemeの丸岡武史代表取締役は、「ファッションが環境問題の一因になるのではなく、解決する手段になることを証明したい」と語る。この木糸Tシャツは、着る人にとって快適なだけでなく、日本の森林保全と地域社会に貢献するという、新しい価値観を提案するものだ。

