
★要点
チョイスホテルズジャパンが、全国35のコンフォートホテルで無料朝食ビュッフェの「地産地消」メニューを刷新。文化庁認定の100年フードや郷土料理、B級グルメなど、その土地ならではの味を各地で提供し、「旅の朝食」を通じて地域の食文化と経済を元気にする。12月1日(月)から先行して18ホテルで提供開始(水戸は11月5日(水)から先行開始)。以降、順次拡大。メニューはホテルごとに異なり、変更の可能性がある。
★背景
観光庁も推進する「食によるインバウンド需要の取り込み」や、持続可能な観光(サステナブルツーリズム)への関心が高まる中、画一的なホテルの朝食から、その土地の物語を味わえる「体験」へと価値がシフト。ビジネスホテルの無料朝食が、単なるサービスを超え、地域と旅行者を繋ぐ新たなプラットフォームになり得ることを示す。
旅の朝食は、もっと地域の体温を感じられるはず。全国に展開するコンフォートホテルが、その答えをビュッフェカウンターの上に広げてみせた。北海道の石狩鍋、岩手のひっつみ汁、静岡の黒はんぺん。ホテルの朝食というインフラを使い、日本の豊かな食文化を掘り起こし、旅行者の胃袋と地域経済を同時に満たす、美味しくて新しい地域創生の実験だ。
胃袋で知る、日本の多様性——100年フードからB級グルメまで
今回新たに導入されるのは、文化庁が認定する「100年フード」や、各地で親しまれる郷土料理、B級グルメなど、その土地の物語が詰まったメニューの数々。函館や北見では、鮭と野菜の旨みが溶け込んだ「石狩鍋」を。北上では、手でちぎったもちもちの生地が特徴の「ひっつみ汁」。山形や天童では、里芋と牛肉が主役の「芋煮スープ」が並ぶ。 静岡・浜松の「しぞーかおでん」では、名物の黒はんぺんを串に刺して本場のスタイルで提供。名古屋では、コク深い味噌で煮込んだ「味噌おでん」。北九州では、ソースが香ばしいB級グルメの王様「焼うどん」。これらは、旅行者が観光だけでは出会えなかったかもしれない、地域の“日常の味”への扉を開く。


提供ホテル: コンフォートホテル函館/コンフォートホテル北見

提供ホテル: コンフォートホテル釧路/コンフォートホテル帯広
ビジネスホテルの朝食が、なぜ地域を元気にするのか
この取り組みの背景には、「旅の楽しさを伝えながら、地域を元気にしたい」という明確な思想がある。ビジネスや観光で訪れた宿泊客が、朝食を通じてその土地の食材や食文化に触れることは、新たな発見と感動を生む。それは、地域への関心を高め、再訪や特産品の購入といった、次の経済活動に繋がる可能性を秘めている。 また、地域の生産者や食品加工業者から食材を仕入れることは、地元の雇用を守り、地域内での経済循環を生み出す。コンフォートホテルの無料朝食は、ホテルをプラットフォームに、旅行者と地域、そして生産者を繋ぐ、持続可能なエコシステムの一部となっている。
「つくる責任」と「パートナーシップ」で実現するSDGs
それぞれの地域で、地元の人々の協力を得ながらメニューを開発するこの取り組みは、SDGsの目標達成にも貢献する。地域の食材を責任もって使い、その価値を伝えることは「目標12:つくる責任 つかう責任」の実践。そして、ホテル、生産者、地域社会が連携する様は、まさに「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」そのものである。 ビジネスホテルの朝食という、誰もが利用する身近な場所から、日本の食文化の豊かさを再発見し、地域の未来を応援する。そんな新しい旅の形が、ここから始まっている。
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