株式会社BGは、環境と経済の両面で危機に直面する日本の農業を再生すべく、「Next Green Revolution(ネクストグリーンレボリューション)」と題した新たな食と農の運動を本格始動させた。農業の根幹にある“土”に着目し、土壌・流通・環境・経済価値を一体で再構築する手法で、2030年までに新たなフードシステムの社会実装を目指すという。

“おいしい”が環境価値になる時代へ。日本初のソリューションが描くトレードオフのない未来。

気候変動、土壌劣化、資材高騰…、日本の農業は今、かつてない規模の環境的・経済的打撃にさらされている。収穫量と品質の不安定化が進み、農業経営は限界に近づきつつある。一方で、消費者が手に取る食材は“おいしさ”という基準のみに偏り、生産の背景にある努力や環境影響への配慮は、十分に伝わってこなかった。
こうした「食べ手とつくり手の分断」に対して、“土”を共通の起点に据えた新たな接続を図ろうとしているのが、次世代農業ベンチャー・株式会社BGだ。同社が展開する「Next Green Revolution」は、「Next Green Vegetables」と「Next Green Method」という2つの柱から成り立ち、農業のトレードオフ構造そのものを再定義しようとしている。


「Next Green Vegetables」は、自然に近い多様な土壌生態系で育てられた野菜に、環境指標や微生物との共生度を基にした“おいしい理由”を明示したブランドだ。使用されるのは、同社が独自開発した有機発酵資材「Soil Next」を用い、土づくりを高度化する「Next Green Method」で育まれた作物。これらは、国立研究機関や第一線の農業者の知見をもとに構築された科学的な評価指標「Agri LCA+」によって、その土壌・環境価値が定量的に可視化される。

さらに注目されるのが、「Next Green Credit」と呼ばれる新たな環境クレジット制度。これは、従来のGHG(温室効果ガス)削減量のみならず、水質改善や生物多様性といった多面的な環境影響までもスコア化し、企業にとっての“食と気候の接点”として機能させる仕組みだ。このクレジットは、ISO14064-2規格と産業技術総合研究所と連携した評価モデルに基づき、第三者機関の認証を経て正式に発行される。すでに東京建物や日鉄興和不動産などが導入を決定しており、2025年秋の初回発行を目指している。


運動の起点である「Soil Solution」は、北海道から始まり、関東、九州へと広がりを見せている。有機廃棄物を地域資源として活用し、畑の健康を高めるこの方法は、企業のサステナビリティ戦略とも接続されつつある。
2030年までに、農業の生産・流通・消費の全てを再構築する「Next Green Revolution」。この活動は単なる技術革新ではなく、“食べることが未来を育てる”という社会的意識の転換でもある。これらの挑戦は、食と農が土に還ることで、食の未来を取り戻す壮大な社会実験といえるのではないだろうか。

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