Earthshipは、秩父多摩甲斐国立公園内に初のフラッグシップ拠点を設立し、持続可能な観光モデルを展開する。同社はプレシードラウンドの資金調達を完了し、トレーラーハウスを活用した自然環境に優しい宿泊体験を提供することで、観光需要に応えながら地域社会の活性化を目指す。

地域とともに自然と調和した宿泊体験を。

Earthshipは、宿泊施設に車両として分類されるトレーラーハウスを使用することで、環境への影響を最小限に抑えながら、訪日外国人や都市部の住民にユニークな体験を提供する。このアプローチは、厳しい開発規制がある日本の国立公園内で新たな観光モデルを実現する鍵になるかもしれない。現在、日本の観光需要は主要都市から地方へと拡大しつつあり、特に自然やサステナビリティに関心を持つミレニアル世代やZ世代がターゲットだ。Earthshipはこれらの需要を的確に捉え、地域リソースを活用した収益分配モデルを採用することで、地域と共存するビジネスモデルを構築しようとしている。
プレシードラウンドでは、日本、シンガポール、英国、米国のエンジェル投資家から資金を調達。これにより、秩父多摩甲斐国立公園内の土地確保やトレーラーハウスの設置を可能にした。J-KISS方式を活用した資金調達は、地域に根ざした効率的な事業展開を後押ししている。Earthshipのビジネスモデルは、大規模な資本投資を必要とせず、運営効率を高めるアセットライトな仕組みが特徴だ。土地リースと収益分配を組み合わせ、地元企業に清掃やメンテナンスを委託することで、地域経済の活性化にも寄与している。
さらにEarthshipは、日本国内での成功を基盤に、2028年からアジア市場への展開を計画している。特にエコツーリズム需要の高い東南アジアをターゲットとし、現地の国立公園との連携を進める。これにより、地域密着型の持続可能なホスピタリティを広げ、グローバルブランドとしての地位を確立する狙いだ。日本国内では2025年から秩父多摩甲斐国立公園を皮切りに、2029年までに全国の国立公園を網羅する拠点展開を進める予定だ。
Earthshipの挑戦は、地域社会と自然をつなぎ、持続可能な観光を通じて地方創生を目指す取り組みといえる。このビジョンは、日本の観光業界における新たな方向性を示すとともに、地方に眠る潜在的な価値を掘り起こす新しいきっかけになるかもしれない。自然環境を守りながら収益性とスケーラビリティを兼ね備えたEarthshipのビジネスモデルに期待したい。

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