ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2025が、環境問題に対するメッセージ性の高い作品に贈られる「環境大臣賞」を、環境の日である2025年6月5日(水)に発表した。受賞作は、イランの監督ナザニン・チッツァズによる短編映画『白い砂漠』で、2025年6月12日(木)からオンラインで配信が開始されている。

干ばつのイランを舞台に、未来への希望を描く『白い砂漠』。

SSFF & ASIAは、気候変動と環境問題への意識を高めるため、2008年に「ストップ!温暖化部門」を設立し、2013年からは「地球を救え!部門」として進化、2020年からは脱炭素社会の実現に向けた国民運動「デコ活」を開始し、官民連携でその実践を応援・促進してきた。
今年の環境大臣賞を受賞した『白い砂漠』は、生活排水を集めて運ぶ幼い子どもの姿を通じて、干ばつに苦しむイランの現状を描写。わずか2分の中で「バタフライエフェクト」のように、小さな行動が大きな変化を生む様子を描いた。短編ながらも、日常に潜む水の大切さを再認識させる作品だ。
監督のナザニン・チッツァズは、「この作品を通じて未来への希望と環境意識を高めたい」とコメント。彼女は過去にも5本の短編映画を手掛けており、環境問題の重要性を訴え続けている。環境大臣も「小さな行動が大きな変化を生む」と評価し、作品を通じて一人ひとりが行動を起こすことの大切さを訴えた。
降水量の減少、農地拡大、過剰な取水、ダム建設などの人間の活動と気候変動が複合的に作用し、生活環境に過酷な変化が生まれているイラン。イスラエルとの戦争激化という状況のいっぽうで、必死に生きようとしている普通のイラン市民の姿と思いに目を向けることはとても大切だ。
SSFF & ASIAは今後も、作品の鑑賞を通じて観客が環境問題に対する意識を高めるためにも、地球温暖化防止や脱炭素社会の実現に向けた活動を続けていくとしている。映画祭は6月30日まで開催され、オンラインおよび東京各地で多様なプログラムを提供。詳細は公式サイトで確認できる。

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