株式会社ファーメンステーションと亀田製菓株式会社が手を組み、未利用資源を活用した新たな商品開発に成功した。亀田製菓の代表商品「ハッピーターン」の製造過程で生じる規格外品をアップサイクルし、発酵エタノールを配合した「ハッピーターンから作った除菌ウェットティッシュ」を開発し商品化。2024年12月上旬から一部スーパーマーケットでのプロモーションに使用される予定だ。
未利用資源の再生がもたらす新たな価値
食品ロス削減や環境負荷の軽減が求められる現代社会において、未利用資源の活用が注目を集めている。株式会社ファーメンステーションと亀田製菓株式会社は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として、未利用資源をアップサイクルする新技術を導入。今回、ハッピーターンの製造過程で発生する規格外品を原料に、発酵エタノールを生成し、除菌ウェットティッシュに応用することに成功した。
従来、焼き不足や焦げ付きによって規格外となったハッピーターンの生地は、飼料としてリサイクルされていたが、今回の新技術により、これらの副産物をさらに高付加価値な製品へと転換することが可能になった。特筆すべきは、製品が99%天然由来である点だ。不織布には生分解性のセルロース素材が採用され、環境への配慮が徹底されている。
このプロジェクトは、2024年5月に亀田製菓が開始した「Re Kameda」プロジェクトの一環として進められており、同社の循環型社会実現への強い意志が示されている。今回の開発は、未利用資源の新たな可能性を切り拓き、アップサイクル技術の進化に大きく寄与するとみられている。
今後、両社はさらなる共創を通じて、未利用資源の活用を一層推進する方針だ。