株式会社Forequeが運営する熊本県南小国町の「喫茶竹の熊」が、熊本県主催の「第36回くまもと景観賞」において最高賞である「くまもと景観賞」を受賞した。阿蘇南小国の林業文化と調和した建築や湧水を活かした水庭の空間づくりが高く評価されたもので、地域の小さな営みが熊本の景観文化の中に新たな価値を示した。

熊本・南小国町「喫茶竹の熊」が、第36回くまもと景観賞の最高賞を受賞。
地域の自然と文化が響き合う空間づくりが高評価。
「くまもと景観賞」は1989年に創設され、地域の自然・文化・暮らしと調和した景観形成に寄与した建築や活動を表彰する制度。36回目となる今回は県内各地から多様な取り組みが推薦され、「喫茶竹の熊」はその中でも突出した評価を受けた。
同施設は、南小国町の林業文化を色濃く反映している。建築には地元産の小国杉をふんだんに使用し、天井には杉皮、屋根にはこけら葺きを採用。扇垂木による印象的な意匠とともに、建物と水庭、周囲の木々が呼応しあう空間が訪れる人々に静かな感動を与えている。
審査講評では「地域の自然と文化を丁寧に結び付けた持続的な景観づくり」として、空間設計の姿勢と継続的な地域貢献への意識が高く評価された。喫茶竹の熊の取り組みは、単なる店舗空間を超え、地域資源と建築技術の融合による景観文化の創造モデルとして注目されている。
株式会社Forequeは、「素材に耳を澄まし、自然に学びながら歩んできた日々への評価は、あたたかな光が差し込んだようだ」と受賞の喜びを語る。今後も阿蘇の豊かな自然と人の営みが響き合う空間づくりを続け、地域の景観文化を静かに育んでいく方針だ。

