
★要点
奥村印刷株式会社(本社:東京都北区、代表取締役社長:奥村文泰)が紙とデジタルを繋ぐ新ブランド「Link Stage」を始動。第一弾としてリサイクル可能な紙製NFCカード「Smart Meishi」を2026年1月より販売する。独自技術でNFCタグと紙を分離し、プラスチックごみ削減と環境負荷低減に貢献する。
★背景
世界的な脱プラスチックの流れとデジタル化の加速を受け、環境配慮と利便性を両立するソリューションが求められる中、同社の新製品は持続可能な社会への具体的な一歩となる。
環境意識の高まりとデジタルシフトが加速する現代社会。プラスチックによる環境負荷が地球規模の課題となる中、日本の印刷会社が革新的な一手を打つ。奥村印刷が立ち上げた新ブランド「Link Stage」とその第一弾製品「Smart Meishi」は、紙とデジタルを結びつけ、持続可能な未来への扉を開く可能性を秘める。
「捨てる」から「循環させる」へ:紙製NFCカードの挑戦。
名刺や社員証、イベントチケットなど、私たちの身の回りにはNFC(近距離無線通信)技術を用いたカードが溢れている。しかし、その多くはプラスチック製であり、使い終えれば産業廃棄物となるのが現状だ。この「使い捨て」の常識に、奥村印刷は疑問を投げかけた。「リサイクルはできないか?」。その問いから生まれたのが、「Smart Meishi」だ。
同製品は、特許出願中の独自技術を駆使し、NFCタグを紙で挟み込む構造を持つ。使用後には、ユーザー自身が容易にNFCタグと紙層を分離できるため、紙は紙としてリサイクルが可能となる。これにより、従来のプラスチック製カードが抱えていた廃棄時の環境負荷を大幅に低減。脱プラスチックという世界的な潮流に、具体的なソリューションを提供するものだ。


環境負荷ゼロへ:クリーンエネルギーと独自デザイン。
「Smart Meishi」の環境配慮は、リサイクル性だけに留まらない。製品の印刷・加工は、奥村印刷の設備において再生可能エネルギー100%の電力で行われる。製造段階から環境負荷を極限まで抑える徹底ぶりは、持続可能性への強いコミットメントを示す。
また、意匠登録出願済みの革新的なデザインも特徴だ。ICチップが内包されているかのように見える視覚的なアクセントは、単なる機能性だけでなく、美意識をも追求した製品であることを物語る。環境に優しいだけでなく、使う人が喜びを感じるデザイン性は、製品普及の大きな鍵となるだろう。
ビジネスシーンに広がる可能性:多様な応用と利便性。
「Smart Meishi」が提供するのは、環境性能だけではない。その高い利便性は、多様なビジネスシーンでの応用を可能にする。スマートフォンなどをかざすだけで、QRコードのようにカメラで読み取る手間なく、Webサイトや動画などのデジタルコンテンツへダイレクトに接続できる。このワンアクションでの接続性は、情報伝達のスピードと効率を飛躍的に向上させるだろう。
企業名刺としての利用はもちろん、「Link Stage」のシリーズ展開として、電子ロックの開錠キー機能を付加した社員証、商品情報の提供ツール、イベントのチケット認証など、その応用範囲は幅広い。バリアブル印刷に対応し、短納期かつ極小ロットでの注文も可能であるため、企業の規模を問わず導入しやすい点も大きな強みとなる。
奥村印刷の次なる一手:持続可能な社会への貢献。
1947年の創業以来、高品質な印刷物を提供し続けてきた奥村印刷は、近年、環境に優しい印刷技術の開発にも注力してきた。ブランド「beak」の「折り紙食器」など、数々のエコ商品を世に送り出してきた実績は、同社が持続可能な社会の実現にいかに真摯に向き合ってきたかを物語る。
「Smart Meishi」は、その延長線上にある、新たな挑戦だ。2026年1月からの販売開始は、単なる新製品の投入にとどまらない。紙媒体の可能性を広げ、デジタルとの融合を加速させながら、地球環境保護にも貢献するという、奥村印刷の未来への明確なビジョンを示すものと言える。
奥村印刷の挑戦は、情報伝達のあり方、そして私たちの消費行動に、新たな選択肢を提示する。脱プラスチックが求められる現代において、紙とデジタルが織りなす「Link Stage」は、持続可能な社会の実現に向けた、一つの重要なマイルストーンとなるだろう。
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