インターメディアテクは、現在開催中の『in Vitro? in Vivo! – 写真家 立木義浩 ✕ 東京大学』の中で、2024年12月8日「フォトアート&サイエンス—立木義浩の蘇らせる死物の世界」と題した特別対談を開催する。写真家の立木義浩氏と美術史学者である東京大学名誉教授の西野嘉章氏が、学術標本とフォトアートの融合に迫る。
学術標本が生み出す新たな写真芸術
インターメディアテクは創設以来、「アート&サイエンス」を理念に掲げ、様々な展示企画を通じて新たな視点を提示してきた。今回のイベントでは、学術標本が写真家の眼を通じてどのような芸術作品へと昇華されるのかがテーマとなる。
立木義浩氏は、若くして女優ポートレートの第一人者とされた写真家であり、近年は大学博物館を訪れ、標本と向き合う中で新たな写真表現を模索してきた。「死物の世界」と表現される学術標本の静寂と魅力が、彼のカメラを通じてどのように蘇ったのか。立木氏は「標本との対話を通じて、生命の本質を感じることができた」と語る。
対談相手の西野嘉章氏は、博物館工学と美術史学の視点から標本を研究してきた専門家だ。東京大学総合研究博物館での豊富な経験をもとに、「学術コレクションが芸術家に与える影響は計り知れない」とし、今回のコラボレーションについて「フォトアートにおける新たな地平を切り拓くもの」と位置づける。
この対談は、標本と写真芸術が交差する地点における、新たな価値を探る絶好の機会になるだろう。
立木義浩氏
1937年、徳島県生まれ。58年、東京写真短期大学(現・東京工芸大学)技術科卒。アド・センター設立時にフォトグラファーとして参加。65年『カメラ毎日』で「舌出し天使」を発表。69年、フリーランスに転身。以降、女性写真の分野を中心に多くの著名人を撮影。同時に世界中でスナップ写真を日常的に撮り続ける。広告・雑誌・出版など幅広い分野で活動。主な受賞に、日本写真批評家協会新人賞、日本写真協会賞年度賞、日本写真協会賞作家賞、文化庁長官表彰など。『イヴたち』『GIRL』『私生活/加賀まりこ』『MY AMERICA』『家族の肖像』『東寺』『KOBE・ひと』『ありふれた景色』『小女』『Tōkyōtō』『Yoshihiro Tatsuki 1~8』『étude』『動機なき写真 just because』『舌出し天使』『SNAP 20C』『Afternoon Paris』など写真集多数。
西野嘉章氏
1952年生まれ。1983年東京大学人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。
東京大学総合研究博物館教授、館長を経て、インターメディアテク館長(博物館工学/美術史学)。現在、東京大学名誉教授・インターメディアテク顧問。
受賞:渋沢・クローデル賞(1994年)、竹尾賞(著者賞・デザイン賞)(2008年)、ディスプレイデザイン賞(最優秀賞・朝日新聞社賞)(2008年)
レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ(2015年)
イベント概要:
日時: 2024年12月8日(日)14:00-15:30
会場: インターメディアテク2階ACADEMIA(レクチャーシアター)
参加費: 無料(事前予約不要)
定員:48席(うち桟敷席あり・先着順・整理券配布)*席に限りがありますので予めご了承ください。
※当日12:00よりエントランスの受付カウンターにて整理券を配布します。整理券をお持ちでない方は参加できません。開場時間に来られていない方はキャンセル扱いとし、他の希望者にお譲りしますので、予めご了承ください。
開場:13:45 アカデミア後方出入り口、東京駅側にお並びください。
(イベント内容は後日、インターメディアテク公式YouTubeチャンネルにて公開予定です。)
主催: 東京大学総合研究博物館