Rprojectは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の 3Rを考えながら、メンテナブルな環境・清潔・清掃のデザインと開発を考えるプロジェクトです。
高級ホテルがバイオマスボトルの液体ハンドソープに切り替えた理由
「100%リサイクルペットボトルのミネラルウォーターに切り替えるまで、実に2 年かかりました」と、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツで購買部マネージャーを務める永野美佳さんは話す。
「世の中では当たり前のことが、なぜホテルではできないのか随分悩みました。理由はやはりコストです。ホテルの部屋数は4 千室を越えますので、例えば10 円単価が上がってしまうと膨大な金額になります。けれども親会社である三菱地所の環境に対する取組みや、我々ホテルとしての社会的使命があり、2021年6月に公布された“プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律”にも応じられるよう決断しました」
永野さんが次に手がけたのが、客室用フェイスアンドハンドソープ。これまでロイヤルパークホテルズで使用していたものは容器がプラスチック製で、経年劣化をするため定期的に交換廃棄をしていた。そこにも課題を感じていた永野さんは、少しでもプラスチック廃棄量を削減できないかと、複数の協力会社に依頼。しかし大手企業や化粧品メーカーなどからは、なかなか満足のいく回答が得られなかった。
その中で唯一、リンレイによる提案が「サトウキビ由来の植物原料96%使用のバイオマス」でボトル製作できるというもの。またハイジェニック製品に定評ある同社の液体ソープの洗浄効果の高さと、保湿成分のヒアルロン酸配合で肌に優しいという点もホテルスタッフたちに高く評価された。その結果リンレイの提案が採用され、バイオマス認証マークとロイヤルパークホテルズのロゴマーク入りのオリジナル製品が作られることになった。
「コロナ以降今まで以上に、そこで過ごす有意義な時間と環境をセットで考える時代になったと思います。私が目指しているのは、当たり前のことを、当たり前にできるホテルです。今回はバイオマスボトルに取り組みましたが、今後も世の中の流れを見ながらReduce(リデュース)、 Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3Rを考え、リサイクルに移行できるものは移行していくことがベストだと思っています」。
Text Ichiro Uchino Photo Hiharu Takagi