株式会社hide kasuga 1896が展開する環境調和型素材ブランド「TRANSWOOD®」が、「信州ブランドアワード2024・しあわせ信州部門」において大賞を受賞した。木由来素材とバイオマス樹脂を融合したこのオールバイオ素材は、持続可能な循環型社会の実現に向けた革新的な技術として高く評価された。

100年循環するオールバイオ素材「TRANSWOOD®」とは?

「TRANSWOOD®」は、工学博士でありブランド創業者の春日秀之氏が、「100年循環する素材」をコンセプトに開発した環境調和型複合材だ。木由来の天然素材と、廃食用油などから精製されるバイオマス樹脂を組み合わせたこの素材は、耐久性を維持しながらも自然環境に優しく、持続可能な社会の実現に貢献する。
この素材は、テーブルウェア、家具、家電、自動車の内装や構造材など、幅広い用途に活用できる。従来の石油由来プラスチックの代替として期待されるだけでなく、使用後もリサイクルや再利用が可能であり、廃棄物の削減にも寄与する。

信州ブランドアワード2024での受賞理由

信州ブランドアワードは、長野県が誇る優れたブランドを選考・表彰するもので、2004年に創設された。ブランドの「志向性」「表現性」「情報伝達性」「地域性」「継続発展性」の5つの指標を基に選定されており、「TRANSWOOD®」はその持続可能性と革新性が高く評価された。
特に、循環型経済(CE:サーキュラーエコノミー)の観点から、素材開発だけでなく、廃棄後の再利用プロセスや長期的な社会実装を視野に入れた点が評価の決め手となった。また、地域資源を活かしながら世界市場にも通用する環境配慮型ブランドとしての展開が、長野県の産業振興にも寄与することが期待されている。

創業者・春日秀之氏のビジョンと持続可能な未来

「TRANSWOOD®」を開発した春日氏は、環境調和型素材の開発を通じて持続可能な社会を構築することを目指している。自身が代表を務める「hide kasuga group」では、環境配慮型ブランド「BLANC BIJOU PARIS®」「hide k 1896®」などを展開し、循環スキームの構築やサーキュラーエコノミーの社会実装にも積極的に取り組んでいる。
また同氏は信州大学特任教授や早稲田大学客員講師として教育活動にも携わり、日本独自の文化や伝統と、最新技術を融合させた「令和モダニスム®」の推進にも注力している。今回の受賞を契機に、「TRANSWOOD®」はより多くの分野への応用が期待されている。特に建築資材や自動車部品など、環境負荷の大きい分野での活用が進めば、循環型経済の実現に大きく貢献することになるだろう。

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