清掃ケミカルメーカーの株式会社リンレイが、業務用製品「カーペットパイルコーティングAg+」で第1回かながわ脱炭素大賞の「先進技術・導入部門」を受賞した。この製品はカーペット管理における環境負荷の削減とコストの圧縮に寄与し、脱炭素社会の実現に向けた新たなアプローチとして注目を集めている。

「洗わない」カーペットケアで環境負荷とコストを大幅圧縮。
LCA分析で証明されたCO2削減効果。

「カーペットパイルコーティングAg+」は、日常的な清掃でカーペットの美観維持と抗菌・抗ウイルス効果を発揮する製品だ。コーティング液をスプレーし、専用ブラシで馴染ませた後に掃除機をかけるだけで、汚れ防止と起毛効果による通気性の向上が期待できる。
この方法は、従来の水洗いによる清掃に比べてカーペットへのダメージを軽減し、寿命を延ばす点で画期的だ。さらに縮みや退色を防ぎ、張替え頻度を削減することで環境負荷と管理コストの大幅な削減を実現した。
製品の環境性能を科学的に証明するため、リンレイは東洋大学情報連携学部の後藤尚弘教授らに依頼し、製品LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施。その結果、従来の洗浄方式に比べ、20年間で77%のCO2削減効果が確認された。
これは、洗浄機器の電力消費や水資源の使用を削減するとともに、カーペットの張替え頻度を低減した成果と言え、具体的には、メンテナンス事業者の車両燃料消費や洗浄用パッドの洗濯による電力使用を排除し、廃カーペットの焼却回数を1回程度に抑えることが可能となった。
リンレイ「カーペットパイルコーティングAg+」の成功は、脱炭素社会の実現に向けた清掃業界の新たなステップといえるだろう。つまりそれは単にカーペット管理の課題を解決するだけでなく、限られた資源の使用、人手不足、省人化など多くの問題を抱えている清掃業界において、いくつかの重要な課題を解決し、持続可能なビルクリーニングに変革していく上での新たな入口になる可能性がある。

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