テスラの大型蓄電システム「Megapack」が、仙台市にある仙台パワーステーション株式会社の構内で稼働を開始した。これは、日本で初めて需給調整市場において一次調整力として使用される蓄電池システムとなる。
日本初、需給調整市場への一次調整力としての参加
仙台パワーステーション株式会社の施設に導入されたMegapackは、10.8 MWの出力と43 MWhの容量を持つ大型蓄電システムだ。2024年5月20日より運転が開始され、電力系統に直接接続されている。このシステムは、電力の需給調整市場に参加し、需給のバランスを保つ役割を担う。特に、応答速度が求められる一次調整力への参加が予定されており、これが日本国内では初の試みとなる。
電力の安定供給には需要と供給の一致が不可欠だが、再生可能エネルギーは天候や時間帯によって発電量が変動するため、これを補完する仕組みが必要だった。従来、この役割は火力発電や揚水発電が担っていたが、近年では蓄電池がその解決策として注目されている。テスラのMegapackは、応答性が高く、安全性に優れ、設置も簡単なため、再生可能エネルギーの更なる普及を促進すると期待されている。
Megapackは、蓄電池、パワーコンディショナー、温度管理システム、制御機構が一体となったオールインワンシステムで、現地での施工を簡素化できる。また、設置面積が小さく、効率的にエネルギーを管理できる点が、日本のような土地が限られた地域での導入に適している。
テスラは、これまでに多くの系統用蓄電所プロジェクトを手掛けてきた実績がある。今回の仙台でのプロジェクトを通じて、日本国内の電力供給の安定化と再生可能エネルギーの普及に貢献することを目指している。また、将来的には容量市場や需給調整市場への展開も視野に入れている。