水道インフラの維持管理が重要視される中、株式会社天地人は「人工衛星とAIを活用した新しい漏水対策」をテーマに、自治体職員向けのセミナーを開催する。新技術による効率的なメンテナンスの実現が期待される。
自治体の水道メンテナンスに新たな光
国土の大部分が水道網で覆われる日本にとって、漏水対策は水資源の有効利用を確保するために不可欠な課題だ。近年、漏水対策に対してデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入が急速に進んでおり、株式会社天地人は、人工衛星データとAI技術を活用した「天地人コンパス 宇宙水道局」という革新的な漏水診断システムを展開している。
「天地人コンパス 宇宙水道局」は、人工衛星から取得したデータを基に、自治体の水道管網を100m四方に区分し、漏水リスクを5段階で評価するシステムだ。従来の漏水調査が職員の経験や直感に依存していたのに対し、このシステムではAIがデータを分析し、漏水のリスクが高いエリアをピンポイントで特定する。これにより、効率的で正確な調査が可能となり、自治体職員の時間と労力を大幅に削減できる。
2024年8月、新たに閣議決定された「水循環基本計画」では、持続可能な上水道の維持や更新にDX技術を導入することが推奨されている。これを受けて開催される今回のセミナーでは、「人工衛星とAIを活用した漏水対策」に焦点を当て、自治体職員や水道事業者がいかに新技術を活用できるかを探る。
天地人が主催するセミナーは、オンライン形式で2024年9月25日と26日に開催される予定だ。内容は、人工衛星やAI技術の基礎から、具体的な活用事例、新しい導入プランの紹介まで多岐にわたる。
2023年、厚生労働省や国土交通省、総務省などの各省庁が実施した「インフラメンテナンス大賞」で、厚生労働大臣賞を受賞するなど、天地人の技術力は国からも高く評価されている。サービス開始からわずか1年で、契約自治体数は20を超えており、自治体が抱える漏水対策の課題に対して、天地人の技術がいかに有効であるかを示している。
今後、人工衛星とAIを活用した水道メンテナンス技術はますます進化し、さらに多くの自治体で導入が進むことが予想される。天地人の提供する技術は、職員の負担軽減だけでなく、自治体全体の業務効率化にも寄与するものであり、地域社会における水資源管理の一助となることが期待されている。
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