プラスチックのリサイクル事業を展開する株式会社esa(イーサ)は、独自技術「esa method」を活用し、廃プラスチックのマテリアルリサイクルを推進する共創パートナーの募集を開始した。本取り組みにより、従来困難とされていた複合プラスチックの再生が可能となり、資源循環型社会の構築に貢献することが期待されている。

焼却依存から脱却し、リサイクルを拡大
日本国内では、廃プラスチックの約70%が焼却または埋立処分されている。特に焼却処理は多量のCO2を排出し、環境負荷が大きいため、資源循環型社会の実現にはマテリアルリサイクルの普及が不可欠とされてきた。しかし、複合プラスチックのリサイクルは技術的な難しさから進展が遅れていた。
esaが開発した「esa method」は、複合プラスチックを効率的に再生樹脂ペレットへと加工する技術で、高品質なリサイクル材の供給を可能にする。従来の技術では分離が困難であった多層プラスチックも、独自の処理プロセスによって一括再生が可能となり、リサイクル材の品質向上が期待される。
共創パートナーの参画でリサイクルネットワークを拡大
esaは、この技術を広く展開するため、共創パートナーの募集を開始した。参画事業者には、設備導入の支援や助成金申請のサポートが提供され、初期投資の負担を軽減する仕組みが整備されている。また、リサイクルした樹脂ペレットはesaが買取り、国内外の市場へ流通させる計画だ。
さらに、廃プラスチックの回収・リサイクル活動を通じて、カーボンクレジットの取得が可能となる。esaはその代行申請を行い、取得したクレジットを参画事業者の収益へ還元することで、環境負荷の低減と事業の持続可能性を両立させる。
新技術で広がる資源循環の可能性
「esa method」は、従来のリサイクル技術では難しかった複合プラスチックの処理を可能にし、低コストかつ高効率での再資源化を実現する。2023年度には、この技術を活用した再生プラスチックペレット「Repla®」がグッドデザイン賞を受賞しており、業界内外からの注目を集めている。
今後、esaは「Repla® Circular Economy Consortium」を立ち上げ、共創パートナーとの協力体制を強化する方針だ。2025年4月30日までに第一次募集を締め切り、6月頃には参画事業者を決定する予定。
本プロジェクトの推進により、日本国内のみならず、海外にも広がるリサイクルネットワークの構築が進むと考えられる。焼却処理に依存せず、プラスチックを資源として活用する真の循環型社会の実現に向け、esaの取り組みが今後のリサイクル業界のスタンダードとなるか注目される。