明治大学理工学部の小山教授らが、竹中工務店などの企業チームが取組む省エネルギー・省CO2・省資源型のサーキュラーコンクリート開発プロジェクトに参画した。この取り組みは、廃材から骨材を回収し再利用することで、コンクリートのサーキュラーエコノミーに貢献することを目指している。
脱炭素社会の新たなエネルギー技術として注目されるサーキュラーコンクリート開発技術
今回の開発プロジェクトは、竹中工務店、鹿島建設、栗本鐵工所などの企業と共に進められている。これらの企業は、省エネルギー型のサーキュラーコンクリートの開発に着手し、明治大学がその技術的支援を行う。建設現場で発生するコンクリート廃材を有効活用し、CO2排出量を削減することが目的だ。
サーキュラーコンクリートは、環境に配慮したセメントと、解体コンクリートや戻りコンクリートから回収した再生骨材を使用する。この再生骨材が、コンクリートの主要成分である骨材の70%を占めることで、資源循環を促進する。この技術は、脱炭素社会を実現するための新たなエネルギー技術として注目されている。
明治大学の小山明男教授と松沢晃一准教授らは、再生骨材の品質管理に関する研究で国内トップクラスの実績を持つ。彼らは、再生骨材および再生骨材コンクリートの効率的な製造管理手法を開発し、その知見を活かしてJIS(日本産業規格)の制定や改正にも寄与してきた。
今回のプロジェクトでは、これまで培った知識と技術を活用し、再生骨材の製造管理や品質管理の最適化を担当する。これにより、再生骨材の品質が安定し、実用的なコンクリート製品の開発が可能となる。
従来、建設現場ではコンクリート廃材が大量に発生していたが、その多くは埋め立てや廃棄処分されていた。この状況を打破するために、サーキュラーコンクリートの開発は、資源を再利用する新しい循環型経済のモデルケースとして期待されている。
サーキュラーコンクリートの開発が進むことで、建設業界におけるCO2排出量の削減や、廃棄物の削減が現実のものとなり、建設業界全体での環境負荷が軽減されるだけでなく、持続可能な社会の実現にも寄与することが見込まれている。
今回のプロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」の一環として実施されている。このプログラムは、革新的な省エネルギー技術の社会実装を目指しており、今回のサーキュラーコンクリートもその重要な取り組みの一つとなる。
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