王子ホールディングス株式会社(社長:磯野裕之、本社:東京都中央区) は、鳥取県米子市で、木質由来糖液・エタノールの日本最大級のパイロットプラントを竣工した。このプラントは持続可能な社会を目指し、化石資源の代替として木質バイオマスの活用を進めるための重要な施設だ。2025年5月21日に行われた竣工式には、多くの関係者が出席し、新たな技術の可能性に期待が寄せられた。

王子製紙がけん引する、木質由来糖液・エタノールによるバイオマス活用。

持続可能な社会を築くためには、再生可能な資源の活用がますます重要になっている。王子ホールディングスは、木質由来の新素材として注目される糖液とエタノールの開発に取り組んでおり、これらは石油由来の製品を代替する大きな可能性を秘めている。
2025年5月21日に竣工されたパイロットプラントでは、年間3,000トンの木質由来糖液と1,000KLのエタノールが生産可能で、今後の本格的な事業化に向けた重要なステップとされている。そして同施設での実証実験を通じ、2030年度の事業化を目指している。

竣工式には、平井伸治鳥取県知事や王子ホールディングスのCMキャラクターを務めるトラウデン直美さんも出席。トークセッションでは、トラウデンさんが「木の可能性は無限大」とコメントし、木質由来の循環型素材が持つ可能性に強い期待を寄せた。

木質由来の糖液は、木材パルプを酵素で分解して生成されるもので、バイオものづくりの基幹原料としてプラスチックや繊維、ゴムなど従来の石油由来製品の代替品に展開が見込まれている。一方、木質由来エタノールは持続可能な航空燃料(SAF)や基礎化学品の製造に利用できるため、早期の量産化が期待されている。
王子ホールディングスは、これらの取り組みを通じて、地球に優しい社会の実現に貢献し、再生可能資源の利用拡大を目指す。今回のプロジェクトは、木質バイオマスの新たな可能性を示すだけでなく、持続可能な未来を切り拓く鍵になるだろう。

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