水道機工株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:古川徹)は、自社開発の汚泥発酵肥料「健土重来」を用いたパイナップルの収穫を2024年6月より開始した。農林水産省が推進する持続可能な食料システムの構築を後押しする取り組みとして注目されている。
下水汚泥から生まれる新しい肥料
水道機工が開発した「健土重来」は、下水汚泥由来の有機原料を発酵・熟成させた肥料で、「一度力をなくした後に、再び勢いを盛り返す捲土重来のように、活力の落ちた土壌を再生させたい」という思いから命名された。2018年3月から約4年間の開発期間を経て、2020年4月に完成した。
「健土重来」には、同社独自の開発製品「ポリシリカ鉄」が組み合わされており、臭気の軽減と土壌の活力再生に効果がある。豊富に含まれる腐食酸・有用微生物・各種微量要素により、作物の生育が向上することが確認されている。
この取り組みは、農林水産省が「みどりの食料システム戦略」で推奨する汚泥からの肥料成分の回収・活用に即しており、環境負荷の軽減と持続可能な食料システムの構築に貢献している。また、国土交通省も下水汚泥の肥料利用を推進しており、水道機工の取り組みはこれら政府方針と一致している。
世界情勢の影響により化学肥料の価格が高騰している現状を受け、地方自治体や生産者の間で汚泥発酵肥料の利用は増加している。農林水産省は、2050年までに化学肥料の使用量を30%削減し、有機農業の取り組み面積を25%に拡大することを目指している。
水道機工は、2023年1月より沖縄県今帰仁村のパイナップル生産者と提携し、「健土重来」を用いたパイナップルの育成と収穫を行っている。化学肥料の高騰を受けて、「健土重来」を提供し、生産者の収益向上に貢献することを目指している。
生産者は「健土重来を追肥することで、年数が経過して弱った茎および葉が元気になり、パイナップルの生育が改善された」とコメントしている。
本製品担当者は「本製品は農水省が推進する農業政策と合致しており、今後、農業分野で大きく貢献できると期待している。本製品の製造・販売を通じて豊かな土づくりに貢献し、持続可能な農業に貢献する」と述べている。