環境省は、2024年11月11日から22日までアゼルバイジャン共和国のバクーで開催される国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)において、「ジャパン・パビリオン」の出展内容を発表した。今回のテーマは「Solutions to the World」で、日本の先進的な脱炭素技術や取り組みを世界に向けて発信する場となる。

日本の先端技術は、世界の脱炭素化にどこまで貢献できるか?

COP29は、1995年から開催されている国際会議で、各国政府、国際機関、自治体、NGO、企業などのリーダーが集結し、地球温暖化抑制に向けた方向性やルールを議論する場だ。今回は、アゼルバイジャン共和国の首都バクーで開催される。
この国際会議において、日本は「ジャパン・パビリオン」を設置し、12の技術・製品・サービスを展示する。これらの技術は、日本国内のみならず、世界中で活用されることで、脱炭素社会の実現に向けた重要な一歩を踏み出すことが期待されている。
例えば、日立造船株式会社が出展する「革新的な廃棄物処理システム」は、廃棄物燃焼技術を中核に据え、CO2の高効率回収を実現する。このシステムは、廃棄物由来の電力や再生可能エネルギーを活用し、海水淡水化技術を用いて製造された水素を効率的に活用することで、循環経済と温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロの社会を目指す。廃棄物由来のエネルギーや水素を活用したこの技術は、将来的に化石燃料の代替資源としての役割も果たすことが期待されている。
また、株式会社アークエッジ・スペースが展示する「地理空間情報プラットフォーム」は、衛星を活用して自然環境の変化やリスクを検出・分析することが可能で、気候変動によるリスク管理に大きく貢献することが期待されている。
この他にも、太陽光パネルを含むガラスリサイクル技術や、統合型流域水循環シミュレーター、ネット・ゼロへのCCS(CO2回収・貯留)ソリューションなど、先進的な技術が一堂に会する。
日本はこれまでも、気候変動対策において国際社会で積極的な役割を果たしてきた。今回のCOP29においても、日本が提供する技術や取り組みが、他国の取り組みにインスピレーションを与え、地球全体の脱炭素化に貢献することが期待されている。
この「ジャパン・パビリオン」は、実地展示のほか、バーチャル展示(オンライン開催)も行われる予定で、世界中の参加者が日本の技術を直接体感する機会を提供する。

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