大阪府南河内郡河南町と大和ハウス工業株式会社は、2025年1月17日、地域課題解決を目指す連携協定を締結した。1972年に同社が開発した住宅団地「阪南ネオポリス」は人口減少や高齢化といった社会課題を抱えており、官民連携によるまちづくりのモデルケースとして新たなステージに突入した。

「阪南ネオポリス」が直面する地域課題
河南町では、1956年の町制施行以来、人口が緩やかに増加していたが、ピークを迎えた2005年以降減少に転じた。大和ハウス工業が1972年に手がけた「阪南ネオポリス」は、開発当初約2,000区画の戸建住宅を供給し、一時は地域の人口を押し上げた。しかし、2024年10月には人口が14,587人にまで減少。65歳以上の高齢化率は33.9%に達し、少子高齢化による地域コミュニティの希薄化や経済規模の縮小が顕在化している。
こうした課題に対応すべく、河南町と大和ハウス工業は「より住みやすく、より魅力あるまちづくり」を目指した連携協定を締結。具体的な取り組みとして、子育て環境の充実、高齢者支援、地域の快適な生活基盤の整備を掲げている。
「リブネスタウンプロジェクト」で進化する郊外型住宅団地
大和ハウス工業が展開する「リブネスタウンプロジェクト」は、既存の住宅団地を再生し、地域課題を解決する取り組みだ。「阪南ネオポリス」では、地域住民との意見交換会やイベントを通じて課題を把握。2023年にはコロナ禍で中断していた「大宝まつり」を復活させ、地域交流の場を再構築した。
今後、子育て世代を呼び込むための住環境整備や、高齢者が生き生きと暮らせる仕組みづくりを官民一体で進める。さらに、町全体の魅力を高めることで、新たな住民の誘致と地域コミュニティの活性化を図る考えだ。
この取り組みは、少子高齢化が進む全国の自治体に向けた新たなモデルケースとなる可能性を秘めている。大和ハウス工業は今後も地域に根ざした持続可能なまちづくりを推進していく方針だ。