大和ハウスベンチャーズ株式会社は、2024年5月10日に大和ハウスグループ投資事業有限責任組合を通じて、米国ニュージャージー州のOishii Farm Corporationに出資を行った。この出資により、大和ハウス工業株式会社とOishii Farmは、高度な植物工場の実現に向けた協業を開始することを決定した。
サステナブル農業と食糧問題解決への一歩
Oishii Farmは「より良い農法で育てられた最高に美味しい農産物を提供すること」をミッションとして掲げ、水問題や残留農薬による土壌汚染、フードマイレージ問題に取り組んでいる。同社は日本の伝統的な農業技術と最新のエンジニアリングを融合し、植物工場内でいちごを自然受粉により安定量産することに成功。これにより、年間を通じて無農薬で旬の果物を提供している。
Oishii Farmの植物工場は、AI画像処理技術による収穫時期の判定や自動化、水の再利用循環システム、太陽光発電などを活用し、生産性とサステナビリティを追求している。また、品種改良による収穫量の向上や工程の自動化により、オペレーションコストを低減し、普及性の高い価格帯で高付加価値の商品を提供している。
気候変動やフードサプライチェーンによる食糧安全リスクが世界的に懸念される中、Oishii Farmは食糧安全供給と環境に配慮したサステナブルな農業ビジネスを確立することを目指している。
大和ハウス工業は、創業以来「建築の工業化」を企業理念に掲げ、戸建住宅だけでなく工場や食品関連施設も手掛けてきた。同社は食品安全マネジメントシステム「ISO22000」や「FSSC22000」の取得支援も行い、食品事業のサポートを行っている。植物工場分野では、2008年より研究開発を進め、2019年には植物工場システム「agri-cube ID」を発売した。
今回の協業により、大和ハウス工業のシステム建築技術とOishii Farmの効率的な栽培技術を組み合わせ、より高度な植物工場の確立を目指す。今後、両社は植物工場領域での協業を進め、企業価値向上と食に関わる世界規模の社会課題解決に貢献することを目指す。
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