日立造船が開発した全固体リチウムイオン電池「AS-LiB®」が、半導体製造装置メーカーから初の商業ベースでの受注を獲得。宇宙での実証実験も成功。
宇宙空間での実証実験の成功
日立造船株式会社は、独自開発した全固体リチウムイオン電池「AS-LiB®」が、業界をリードする半導体製造装置メーカーから初の商業ベースでの受注を獲得したことを発表した。これまで様々な業界向けにサンプル提供を行ってきた中で、製品として実際に装置に組み込まれる形での受注は今回が初めてとなる。
また、日立造船は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で行った宇宙での実証実験において、AS-LiB®を基にした全固体リチウムイオン電池軌道上実証装置(Space AS-LiB)が、国際宇宙ステーション(ISS)の外部での長期充放電サイクル運用を達成し、成功を収めた。この結果は、AS-LiB®が広い使用温度域や真空中での充放電が可能であることを証明するもので、特に宇宙や極端な環境下での利用が期待される。
Space AS-LiBは、米航空宇宙局(NASA)のSpX-29により宇宙から帰還し、JAXAから「宇宙飛行証明書」を受領。今後、日立造船は帰還したSpace AS-LiBの解体分析評価を行い、さらなる性能向上と応用範囲の拡大に努める。この一連の成果は、日立造船が環境に配慮した持続可能な技術開発において、新たなマイルストーンを築いたことを示しており、今後のさらなる事業展開が期待される。