北海道大学は2025年4月1日、GX(グリーントランスフォーメーション)産業の集積と地方創生の推進を目的に、「グリーントランスフォーメーション先導研究センター(GXC)」を正式に設置した。国内屈指の再生可能エネルギー資源を有する北海道で、「知のGX拠点」として産学官連携によるGXの研究開発と人材育成を加速させる。これに先立ち、5月27日に北海道大学にてキックオフシンポジウムが開催される。

GX卓越研究と地域課題の解決、
グリーントランスフォーメーション産業集積へ。
北海道は国内随一の再生可能エネルギーのポテンシャルを持ち、風力、太陽光、バイオマスなど多様な電源の開発が進んでいる。そんな北海道では、地域で生産した再生可能エネルギーを地域で消費する「エネルギー地産地消」を実現し、持続可能なGX産業を確立することは喫緊の課題だった。
2024年6月には北海道・札幌市が「GX金融・資産運用特区」に指定された。GXにおける北海道のリーダーシップへの期待は高まり続けている。こうした流れの中で、北海道大学は学内の80名超にのぼるGX関連研究者を結集し、「グリーントランスフォーメーション先導研究センター」を設立した。
同センターは①分野融合を通じた世界を先導するGX卓越研究の推進、②研究成果の社会実装による地域課題の解決、③次世代GX人材の育成という三つの柱を掲げている。設立初年度から産業界や道内自治体、金融機関との連携が本格化する見込みだ。
5月27日に開催されるキックオフシンポジウムでは、センターの活動計画や研究内容の紹介に加え、国内を代表するGX研究者・加藤之貴氏(東京科学大学ゼロカーボンエネルギー研究所長)による基調講演が行われる。また、Team Sapporo-HokkaidoによるGX金融特区の取り組み紹介や、北海道大学の研究者による最新研究の成果報告が予定されている。
GX先導研究センターが担う「知のGX拠点」は、北海道発のGXモデルを全国、さらには世界に広めることを使命とする。資源循環やカーボンニュートラル実現に向けた実証研究が加速すれば、GX推進における国内外のモデルケースとなる可能性は高い。北海道大学は産学官の連携を深めながら、2050年までにGX産業の社会実装とGX人材の世界的輩出を目指す。また北海道大学は、日本国内の19大学・機関で唯一、米国の大学機関から流出する研究者を受け入れることを検討しているといった報道もなされ、注目度を高めている。
【北海道大学 GX先導研究センター キックオフシンポジウム】
キックオフシンポジウムでは、北海道大学 GX先導研究センターにおける活動計画及び代表的研究者の研究例を紹介するほか、国内の代表的GX研究者である加藤之貴東京科学大学ゼロカーボンエネルギー研究所長による基調講演や、Team Sapporo-Hokkaido から北海道・札幌市GX金融・資産運用特区に関連した取り組みについて紹介される予定。さらに道内外におけるGX推進の現状を理解し、多様な機関による産学官連携に向けた今後の展開について情報交換、意見交換を行う。
日時:2025年5月27日(火)13:30~16:20
会場:北海道大学大学院工学研究院フロンティア応用科学研究棟2階 鈴木章ホール
主催:北海道大学GX先導研究センター(略称:GXC)
協力:北海道大学大学院工学研究院、北海道大学サステイナビリティ推進機構、北海道大学リニューアブルエナジーリサーチ&エデュケーションセンター
参加費:無料
定員:200名
参加申込:以下URLより5月20日(火)17時までにお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/1i_0jVBuIJVHkcbhPnIoEYt_7VKaGbOPgn3e8hJEUSt0/edit