カナデビア株式会社(東京本社:東京都品川区、本社:大阪市住之江区、取締役社長兼CEO:桑原 道) と太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:能村 祐己) が共同開発した、膜素材を活用した環境配慮型「次世代煙突」が、一般社団法人日本膜構造協会の「環境貢献賞」を受賞した。この煙突は、従来主流だったコンクリート製の外壁を、軽量で高耐久な膜素材に置き換えた革新的な構造を持つ。高い施工性と耐震性を実現し、環境負荷の低減にも貢献することから、すでに6件のごみ焼却施設で採用が決まっている(建設中含む)。

膜素材による軽量化と高耐久性で、ごみ焼却施設の安全性向上と環境負荷低減を実現。

ごみ焼却施設は、廃棄物処理や発電、防災拠点といった社会インフラとしての役割を担っており、その中核設備である煙突には高い安全性が求められる。しかし、従来のコンクリート製煙突は重量があるため、地震発生時の倒壊リスクや、建設時の資源消費、CO2排出が課題となっていた。
これらの課題を解決したのが、カナデビア株式会社と太陽工業株式会社が共同開発した「次世代煙突」で、膜構造建築の技術向上と普及を目的とする日本膜構造協会による、第1回「環境貢献賞」を受賞した。
「次世代煙突」は、外壁に軽量かつ高耐久な「PTFEガラス繊維膜材」というフッ素樹脂膜材を採用することで、従来の煙突と比較して大幅な軽量化を達成し、耐震性を飛躍的に向上させた。また柔軟な膜素材は地震の揺れにも追従しやすく、万が一の破損時も破片が飛散しにくいため、二次災害のリスクを低減できるメリットもある。

膜素材で煙突を開発したこの技術は、多面的な環境貢献も高く評価されている。今回の「環境貢献賞」の選考では、①軽量化による資源消費量の低減、②施工期間の短縮に伴うCO2排出削減、③表面に施された光触媒加工による大気中の窒素酸化物(NOx)の分解効果、という点が評価された。さらに、光触媒は防汚性も高めるため、雨水で汚れが流れ落ちるセルフクリーニング効果が期待でき、維持管理の手間とコストを削減できる。
「次世代煙突」は、煙突の外壁に膜素材を用いるという従来の発想を刷新するもので、今後のさらなる利用拡大が期待されている。また、膜素材そのものも煙突での利用にとどまらず、他の建築物や構造物の外皮へ応用される可能性が示唆されており、膜素材が拓く新しい建築の未来に注目が集まる。

表彰式の様子

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