小泉今日子が2024年10月26日から12月21日にかけて開催した全国ツアー「TOUR 2024 BALLAD CLASSICS」で、ツアー全体のCO2排出量を実質ゼロにする取り組みが行われた。協賛企業の株式会社UPDATERは、J-クレジットを活用し、約120t-CO2をオフセットした。この取り組みにより、コンサート業界のサステナブルな運営に向けた新たなモデルケースが示された。

ツアー運営に伴うCO2排出量を算出し、J-クレジットでオフセット。
ライブやコンサートの開催は、大量の電力消費や関係者の移動により、環境負荷が高いとされる。そのため、持続可能なエンターテインメントを実現するための取り組みが求められている。今回、小泉今日子の全国ツアーでは、会場の電力消費や出演者・スタッフの移動、宿泊、機材運搬などに伴うCO2排出量を算出し、J-クレジットを活用することで排出量を実質ゼロにした。
対象となったCO2排出量は約120t-CO2に達し、これは一般家庭40世帯の年間排出量に相当する。このうち、会場の使用電力に関する排出量は約23t-CO2で、再生可能エネルギー由来のJ-クレジットを活用してオフセット。さらに、出演者やスタッフの移動に伴う約45t-CO2、宿泊に伴う約27t-CO2、機材運搬に関する約20t-CO2も、クレジットの活用によって相殺された。
J-クレジットの活用とこれからのライブ、コンサート運営。
J-クレジットは、企業や自治体が省エネ活動や森林管理を行うことで削減・吸収したCO2をクレジットとして国が認証する制度だ。今回のプロジェクトでは、家庭向けの太陽光発電設備導入によるクレジットや、愛媛県の繊維工場におけるボイラーの更新によるクレジットが活用された。
また、今回のオフセットに関する証明書は、障がい者支援施設NPO法人ぷかぷかのメンバーがデザインを手がけ、証明書1枚につき3,000円が支援に充てられる仕組みとなっている。単なる環境対策にとどまらず、社会貢献の側面も持つ取り組みとなった。
音楽業界では近年、サステナブルなコンサート運営に向けた動きが広がりつつある。今回の全国ツアーでのカーボンオフセットの実施は、その一例として注目される。今後もアーティストや企業が連携し、環境負荷の低減に向けた取り組みが加速することが期待される。