持続可能な酪農業の実現に向けて、明治グループ、北海道大学、ファームノートグループが子牛の健康に関する研究を開始した。酪農の基盤となる生乳生産の向上を目指し、子牛の健全な成長を支える新たな知見を得ることが狙いだ。

動物の健康に深く関与する消化管細菌叢への着目

持続可能な酪農を実現するためには、生乳生産の基盤である子牛の健康管理が重要とされる。乳牛は生まれてから成牛に成長するまでに約2年間を要し、この期間がその後の生乳生産の経済性を左右する。特に、哺乳期の子牛は免疫システムが未発達であり、病気にかかりやすいため、適切な飼育管理が必要だ。
明治グループの研究開発機関であるウェルネスサイエンスラボは、北海道大学大学院農学研究院の小池聡教授、酪農現場で技術革新を推進するファームノートグループと連携し、子牛の健康に関する調査研究に着手した。この研究は、動物の健康に深く関与する消化管細菌叢に着目し、子牛から成牛へと成長する過程でどのように変化するのかを長期間にわたり調査する。
消化管細菌叢は、動物の消化・吸収に影響を与えるだけでなく、免疫機能の発達にも関与することが知られている。この調査を通じて、子牛の健康状態の把握や病気の予防、治療に役立てることが期待されている。
酪農業は、地球環境への負荷を抑えつつ、生産性を維持・向上させることが求められる。この研究は、子牛の健康を支える新たな技術や管理方法の開発を目指し、将来的には酪農業全体の持続可能性を高める一助となることが期待されている。
酪農業界の持続可能性を高めるためには、引き続き多方面からのアプローチが必要とされている。明治グループ、北海道大学、ファームノートグループの協力が、未来の酪農業を支える新たな基盤を築く一歩となる。

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