株式会社博報堂プロダクツは2024年5月31日、2回目となる「企業のサステナビリティコミュニケーションに関する調査2024」を発表した。この調査では、企業のサステナビリティ関連予算が増加する一方で、社内ノウハウ不足が深刻化していることが明らかになった。

サステナビリティ推進における課題と重要性

博報堂プロダクツの調査によると、サステナビリティ推進において最も重視するステークホルダーとして「従業員」が挙げられ、そのスコアは12.6%に上昇した。また、サステナビリティ推進の認知・理解を促進する施策の実施率は8割以上となった。
調査によると、直近3年間のサステナビリティ関連予算について、62.5%の企業が「増えた」と回答した。しかし、内部課題として「社内のノウハウが不足」との回答が34.7%に達し、昨年より4.4ポイント増加していることがわかった。これにより、企業は予算を増加させる一方で、サステナビリティに関する知識やスキルが社内で不足している現状が浮き彫りとなった。
従業員の認知・理解促進や行動促進が社内向けコミュニケーションの重要なポイントとして挙げられた。具体的には、「一般社員の認知・理解促進」が38.8%、「一般社員の行動促進」が37.7%と、従業員に対するコミュニケーションの重要性が増している。
社外向けコミュニケーションにおいては、「これからの社会における自社の存在意義を明確にして伝える」が41.1%とトップとなり、パーパス経営への意識が強まっていることが示された。また、半数以上の企業が「総合的なサステナビリティコミュニケーション計画の策定」を今後注力したい施策として挙げている。
内部課題としては、「社内のノウハウ不足」が34.7%でトップとなり、次いで「取り組みが事業成長につながらない」が30.0%、「取り組みの効果測定が不十分」が28.3%と続いた。一方、外部課題としては、「コミュニケーション施策がバラバラ」が32.3%で最も多く、続いて「人材確保につながらない」が29.0%、「顧客を巻き込んだアクションへの賛同が得られない」が28.8%であった。
調査結果から、企業はサステナビリティ推進のための予算を増やして対応しているが、社内ノウハウの不足が深刻化していることが明らかになった。今後は、社内研修や社内イベント、社内コミュニティ形成などのインターナルコミュニケーション施策に注目が集まり、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが重要となる。
今回の調査は、2024年3月10日から3月11日の期間にインターネット調査として実施され、全国の20歳から65歳の男女で企業のサステナビリティ関連業務経験者427名を対象に行われた。

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