2025年、北海道羅臼町湯ノ沢に新たな宿泊施設「らうす餐荘」が開業を予定している。このホテルは世界自然遺産に登録されている知床半島の豊かな自然環境を最大限に活用し、地域密着型の「旅人の宿」として注目を集めている。

環境との共生を重視した地域密着型ホテル

「らうす餐荘」は、TaMa-Tec(玉川裕一社長・札幌市中央区)が所有し、観光・宿泊業を展開するREVITALIZERS(小田與之彦社長・福井県)が運営する。建設地は2010年に廃業した知床観光ホテルがあった場所で、2020年に環境省の補助金を活用して撤去された。その後、地元の温泉地区協議会などで跡地の活用が検討され、今回の新ホテル建設に至った。
新ホテルの建設計画は、羅臼町と知床半島の環境、文化、経済と共生し、地域とともに成長することを目指している。
ホテルの設計は、遠藤建築アトリエが手がけ、北海道産材を使用した木造平屋の宿泊施設となる。延床面積は2344㎡、客室数は20室で、各室に山並みを望む温泉を設置し、サウナを備える客室も用意する。ロビー棟は羅臼岳に向かって大きく視界が開放され、木材の屋根で包まれたロビー、暖炉のラウンジ、バー、レストランなどが設けられる。
宿泊棟は羅臼川と山並みに面し、ライブラリーと20室の宿泊室が配置される。日本旅館の質感を大切にしたシンプルでモダンな空間で、自然との対話を楽しむことができる。また、暖房、給湯、ロードヒーティングには90℃の温泉熱を利用し、サステナブルで環境に優しい施設を目指している。
「らうす餐荘」は、羅臼岳から海岸へと続く豊かな自然と融合し、自然と一体となる深遠な時間を提供することを目指す。施設内の設計は、地域の自然を最大限に活用し、訪れる人々に静寂な世界を提供することを意図している。
遠藤建築アトリエの遠藤謙一良氏は「知床世界自然遺産の中に建ち、自然との融合とシンプルで上質な日本の宿を目指します。羅臼の街に魅力ある新しい場所の創出をいたします。」と語っている。

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