ふるさと熱電株式会社と東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(TGES)は、地熱発電事業の競争力強化に向けた協業の覚書を締結した。本協業により、熊本県阿蘇郡小国町わいた地区に位置するわいた第1および第2地熱発電所において、発電プラントの高効率化とライフサイクルコストの最適化が期待されている。

地域発電プラント効率化とコスト削減協業は、地域共生型モデルの拡大に繋がるか。

再生可能エネルギーの中でも、地熱発電は安定した出力と環境負荷の低さから注目を集めている。しかし、設備投資や維持管理コストの高さが普及拡大の課題となってきた。こうした中、ふるさと熱電とTGESは地熱発電プラントの効率化とコスト削減に向けた協業を開始した。
わいた地区の地熱発電所は、地域住民が主体となる「地域共生型モデル」で運営されている点が特徴だ。発電による収益は地域活性化に再投資され、地域資源と経済の好循環を生み出している。ふるさと熱電は、10年にわたる地熱発電所の建設・運用実績を持ち、地域と密着した事業展開で培ったノウハウを有する。
一方、TGESはLNG基地や地域冷暖房システムなどの分野で蓄積したエンジニアリング技術とライフサイクル全体を見据えたコスト最適化の知見を活用する。特に、熱の無駄を抑えるシステム設計やICTを活用した最適運用による高効率化、予防保全を含むメンテナンス体制の強化が協業の鍵となる。
今回の取り組みで、わいた第1地熱発電所での実績を踏まえ、建設中の第2地熱発電所でも発電効率の向上と運用コスト削減を目指す。将来的には、この地域共生型モデルを全国へ展開することを視野に入れており、脱炭素社会の実現とエネルギー自給率向上への貢献が期待される。
ふるさと熱電とTGESの協業は、地域密着型の地熱発電事業が持続可能な形で拡大するための新たな道を示している。地熱資源の有効活用と地域経済の活性化が両立するモデルとして、今後の展開が注目される。

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