「家具インテリア リサイクル&リニュー協議会」(R&R協議会)は、新たに一般社団法人「家具インテリア リサイクル協会」を設立した。R&R協議会は、35社の家具メーカー、小売業、物流企業によって2023年6月に設立され、家具業界の資源循環型社会への貢献を目指している。今回の協会設立は、特に廃スプリングマットレスのリサイクルを推進するための重要な一歩となる。
持続可能なサプライチェーン構築
家具インテリア リサイクル協会の設立は、廃棄物処理及び清掃に関する法律(廃掃法)の特例制度「広域認定制度」申請への前提条件となる。協会は、デジタルプラットフォームを活用し、廃スプリングマットレスを主としたリサイクル事業を進める。これを皮切りに、不要家具の引き取り、再利用、再資源化など、資源循環型社会への貢献を業界全体で推進する計画である。
R&R協議会は、設立当初より「リソーシング」「長期愛用」「Zeroカーボン」「再生デザイン」の4つのタスクを掲げている。これらのタスクを通じて、家具業界共通の課題である資源循環や森林の生態系保全、CO2排出削減などに取り組んでいる。特に、関東圏での廃スプリングマットレスリサイクルの実証実験を行い、この事業をさらに拡大するために協会を設立した。
協会では、長期愛用を目指し、家具の修理やメンテナンスも含めた仕組みを構築する。これには、劣化予測や製品評価、適正なメンテナンス技術の研究開発が含まれる。修理を請け負う家具メーカーや販売店の実態を調査し、ユーザーの近隣に修理事業者を配置するなど、家具を長期的に使用するための環境づくりに取り組む。
2050年までに実質ゼロカーボンを達成するための研究開発と取り組みも推進する。家具業界のサプライチェーン全体でCO2排出量を把握し、削減技術の開発を進める。製品個々のカーボンフットプリント(CFP)の「見える化」を目指し、環境負荷の低減に取り組む。
環境性能評価の研究を通じて、環境にやさしい家具の開発を推進する。原材料の持続可能性や環境保全性の評価、再生材の技術開発に取り組み、生態系保全に繋がる材料の積極活用を目指す。既存の実践例を参考にしながら、環境配慮製品の性能評価やガイドラインづくりを進める。
R&R協議会は、カリモク株式会社やフランスベッド株式会社、株式会社アクタスなど、家具業界を牽引する企業を主軸に設立された。現在、イケア・ジャパン株式会社他8社も加わり、参加企業は44社に拡大している。家具製造、販売、物流およびIT企業が連携し、業界全体で資源循環型社会の実現を目指す。