株式会社IHIは工場の効率的な稼働を支援するため、「つなげる × わかる ソリューション」を導入している。設備の稼働状況をリアルタイムで把握し、光熱費や燃料費の削減を図る新たなアプローチに注目が集まっている。
設備の健康診断で無駄を排除
工場の効率を高めるためには、各設備や機器がどのように稼働しているかを正確に把握することが重要。IHIの「つなげる × わかる ソリューション」は、これを実現するための新たな手段となっている。このソリューションを通じて、設備の健康診断を行い、無駄を排除する取り組みが始まっている。
このソリューションは、まず設備に「PUSHLOG」と呼ばれる計測器を取り付けることから始まる。このデバイスを使用することで、設備の稼働データをリアルタイムで収集。データは自動でクラウドに転送され、常時モニタリングが可能となる。これにより、工場内の機器や設備の稼働状況が一目で把握できる。
このソリューションはオールインワンパッケージとして提供され、専門知識やプログラムが不要なため、導入が非常に簡単。わずか10分で設定が完了し、データ収集や遠隔監視を即座に開始できる。
光熱費やエネルギー消費量、CO2排出量を一目で把握できるのも、このソリューションの大きな特長。稼働データはリアルタイムでモニタリングされ、トレンドグラフやエネルギー消費量、燃料代のシミュレーションも可能。これにより、エネルギー管理が効率的に行える。データの収集は最小1分周期で行われ、最大20デバイスまで追加費用なしで対応可能。通信費やクラウド利用料も初期価格に含まれているため、追加の費用負担がない。
このソリューションは、IHIのプラットフォーム「ILIPS」を利用して提供されている。ILIPSは、IHI製品を使用する顧客向けに効率的な運用サポートやデータ分析を提供する信頼性の高いプラットフォームであり、導入時はもちろん、その後も安心して利用できる。
ILIPSでは、省エネを進めることで得られるCO2排出量削減の成果を、カーボンクレジットとして企業に還元する仕組みも提供している。カーボンクレジットは、CO2削減量をクレジットとして発行し、他の企業と取引することが可能である。これにより、CO2削減の取り組みが直接的な利益に結びつく。
IHIが提供する「つなげる × わかる ソリューション」は、工場の効率的な稼働を支援し、光熱費や燃料費の削減を図るための強力なツール。簡単な導入手順と高度なデータ分析機能により、多くの企業での導入が期待されている。設備の健康診断を通じて、無駄を排除し、効率的なエネルギー管理を実現する新たなソリューションが、今後の工場運営において重要な役割を果たすことは間違いない。