株式会社竹中工務店(社長:佐々木正人)は、2021年より開発を進めてきた「Seeds Paper Pavilion(シーズペーパーパビリオン)」を、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場内に提供することを発表した。8月に着工し、来年4月に完成する予定で、来場者が休憩等に利用できる仮設建築物となる。
環境に貢献する未来の建築
「Seeds Paper Pavilion」は、2020年から2021年にかけて竹中工務店グループの従業員を対象に実施された提案コンペで最優秀賞に選ばれた作品だ。この提案は、使い終わると廃棄物になるのではなく、種となり森になる未来の建築を目指す。最先端の3Dプリント技術と手づくりの要素を融合させた建築で、昨年5月から千葉県印西市の竹中技術研究所で試験を開始し、今年4月に実物サイズの出力試験に成功した。大阪・関西万博では直径4.65m、高さ2.95mの建築物が2棟設置され、来場者の休憩スペースとして利用される。使用される材料は株式会社ダイセル(社長:小河義美)が開発した、生分解性を有し、透明性のある酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」で、これを3Dプリントして構造材とする。外装材は手すきの和紙と植物で構成される。本作品は、生分解性樹脂を3Dプリントして作る建築物としては世界最大級となる見込み。
この他、3Dプリント機材を提供するエス・ラボ、部品開発を手がけるニフコ、植栽技術を提供する阪神園芸なども協力企業として名を連ねている。
竹中工務店の佐々木社長は、「このプロジェクトを通じて、建築が廃棄物にならず、自然と共生する未来を実現したい」とコメントしている。大阪・関西万博での展示により、多くの来場者に環境に配慮した建築の重要性を伝えることが期待される。
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