京都府亀岡市は、環境政策の発信拠点「サーキュラーかめおかラボ」で市民参加型の「めぐるひろばプロジェクト」を開始した。毎月8のつく日(8日、18日、28日)に物々交換やリペア体験などのイベントを開催し、資源循環の大切さやサステナビリティを広く伝える。

幅広い世代に学びと体験の場を提供、地域資源循環の加速へ
京都府亀岡市は、令和6年8月にオープンした環境政策情報発信・交流拠点「サーキュラーかめおかラボ」において、「めぐるひろばプロジェクト」を立ち上げた。市内の資源循環をさらに進め、特に学生や子育て世代を中心とした次世代に向けて、サステナビリティを実感できる場を提供することが狙いだ。
プロジェクトの核となるのは、毎月8、18、28日に行われる定期イベントだ。例えば「めぐる環(わ)物々交換市」では、家庭で不要となった物を持ち寄り、次の人へつなぐリユースの場を設ける。参加者は物を持ち込むだけでなく、必要なものを持ち帰ることもでき、誰でも気軽に参加可能だ。

また「グリーンラーニングプログラム」では、学校や地域施設と連携し、回収資源の選別や再資源化を体験できる機会を用意する。市民は自らの手で資源を再生させる過程を学び、日常生活に活かせる知識を身につける。

「リペアカフェ」は壊れたおもちゃや衣類、小型家電などを修理し、物を大切にする意識を育む場として位置づける。地域のリペア技術者を「リペアマスター」として認定し、修理のサポートを行うことで初心者や子どもも参加しやすい仕組みを整える。

さらに、企業や団体と連携したワークショップや、循環型経済をテーマとする地域イベントも展開される予定だ。こうした取り組みにより、亀岡市は資源循環の重要性を広く普及させ、サステナブルな地域社会づくりを後押ししていく考えだ。
5月のイベントは特に多彩だ。8日にはアウトドア用品や食器、キッチン用品をテーマとする物々交換市、18日には能登の着物を使ったバッグ作りや服の交換会、トークイベントを含む「くるくるファッションオープンデイ」、28日には修理体験ができるリペアカフェが開催される。いずれも申し込みや参加費は不要で、誰もが気軽に参加できる。
サーキュラーかめおかラボは、亀岡市の「プラスチックごみゼロ宣言」や「脱炭素宣言」といった環境政策の拠点として設置された。展示や体験学習、交流を通じて、地域住民とともに環境保全の担い手を育成し、新たな取り組みを生み出すことを目指している。今後もこうした活動の積み重ねにより、亀岡市の資源循環モデルはさらなる進化を遂げていくとみられる。